第2回「応募者をどのように扱っていますか?」
パート・アルバイトスタッフに「いかに定着してもらい、戦力として力を発揮してもらうか」についての施策や、考えるヒントなどを解説します。
皆さん、こんにちは! (株)チームのちから・店長養成道場 道場主の植竹剛です。 GWも明けました。5月も中旬にもなると考え始めるのは「夏の商戦・ピーク」のことだと思います。新人のアルバイトスタッフに1つのポジションを完全に任せられるようになるまで、難易度の差はあれ、1〜3カ月はかかりますよね。ということは今の時期から7月上旬くらいまでには「採用」業務は完了し、「教育」に専念したいところでしょう。
しかし、現段階で要員が不足気味だったとしたら、オペレーションがてんてこ舞いになって、サービスレベルが低下してしまうかもしれません。こんなことにならないように、今からしっかりとした人材マネジメントを実践すれば、よい結果につながります。前回からの続きの内容もありますので、あわせてご覧ください。
1.社内顧客
最初に、「自社の従業員をどう考えるか」についてのお話をしたいと思います。 顧客は2つに大別できます。商品やサービスを直接お買い求めいただく「社外顧客」(一般的なお客さま)と、社長から新人アルバイトまでを指す「社内顧客」、つまり自社の従業員です。「え? 私は店長だけど、顧客なの?」と思われたかもしれません。はい、その通りです。店長であるあなたは、れっきとした「お客さま」です。正確に言えば「社内顧客予備軍」です。
2軒のパン屋さんがありました。その2軒ではアルバイトに対して、商品のパンを異なる方法で提供しています。
●A店⇒製造過程でミスをしたパンを無料で持ち帰れる
●B店⇒退勤時に出来たてのパンを定価で購入できる
A店では「社内顧客予備軍」はほぼ存在しないのでは、と推測します。そしてB店はアルバイトが顧客化し、さらには「ファン化」にまで成功しているような予測ができます。 これは店長であろうが、アルバイトであろうが立場の違いはありません。本人が食べるのか、ご家族かはさておき、「空腹を満たすため」「家計を助けるため」ではなく、「他よりもおいしいから」「好きだから」というベネフィットを満たせているから、購入するのです。
この2店の繁盛具合を想像することは、それほど難しくないでしょう。裏を返せば、このように「社内顧客化」を推進することはとても大切です。 商品の品質だけが社内顧客化を推進するのではなく、「人的サービス要因」も大きく関係します。「予備軍」を「化」にするための最初のチャンスメイクは、ズバリ「応募電話対応」です。ここで応募してくれた方のことを想像します。
「すぐに折り返し電話がほしいはず」「怖い(ブラック)バイト先じゃないことを祈ってるはず」「面接の日時はこっちの予定に合わせてくれるのかな、と思ってるはず」
といったところだと思います。ということは、想像したことを実現するための「仕組み」を作れば、社内顧客化を推進できるのではないでしょうか。仕組みを作るとは言っても簡単なことばかりです。以下に取り組みの具体的な内容について、ご紹介します。
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●文/植竹剛(うえたけ つよし)1971年生。株式会社チームのちから代表取締役。大学卒業後、株式会社ロッテリア入社。店長経験を経て、チェーンストア化を目指す企業にヘッドハンティングされて転職。その後、数社で店舗運営に関するさまざまなノウハウを学び、2012年、組織における人の問題の解決支援を行う株式会社チームのちからを設立。これまで直接関わったアルバイト採用はのべ2万人、店長経験は11店舗に及ぶ。著書に『「できる店長」と「ダメ店長」の習慣』(明日香出版社)、『落ちこぼれスタッフから最強のチームを作る極意 店長養成道場』(日経BP社)がある。オフィシャルブログ: http://team-chikara.com/blog/店長養成道場: http://tenchoyouseidojo.com/バイトテロ対策: http://www.baitoterro.com/
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