第4回「採用後のオリエンテーションで気をつけることは?」
パート・アルバイトスタッフに「いかに定着してもらい、戦力として力を発揮してもらうか」についての施策や、考えるヒントなどを解説します。
いよいよ夏の繁忙期に差し掛かりましたね。関東地方ではお中元も一段落しましたが、関西では真っ盛りと言ったところでしょうか。今回は、将来の戦力になってくれる新人パート・アルバイトさんの「受け入れ方」についてです。最初に結論として申し上げますが、「好きな異性を自宅に迎えるような気持ち」で新人さんを迎え入れましょう。
1.準備編
面接のときも大切ですが、採用後のオリエンテーションでも、「私はここで働くんだ」という意志を持って入社をされてくる新人さんを「おもてなしする」ことをイメージします。目的は、最初に店の清潔感や対応を印象付け、「このレベルで仕事をする」という認識をもってもらうことです。どのようなレベルでも、その環境に対して適応するのが人間の性といってもよいでしょう。
考え方のスタンスとしては、「One to one」を心がけることです。これはお客さま対応の基本ですが、実は新人をはじめ、スタッフでも同じことなのです。アルバイトの定着化を推進する土台とも言えます。オリエンテーションはその最初の一歩です。
気をつけておきたいポイントの具体例の一部を整理しておきましょう。
・必要な持ち物を前日に採用者に連絡をしたか?(リマインダーとしての機能としても)・採用者の忘れ物を想定してヘアピンなどの備品を確認したか?・朝礼等で来店時刻を全員に周知し、どの場所に案内するかを伝達したか?・入社手続き等の書類はすべてそろっているか?・必要備品(ユニフォーム、ロッカーネーム、名札等)の漏れはないか?・伝えるべきオリエンテーションの内容は把握できているか?・会場、トイレ、ロッカー等の清潔感は確認したか?・リラックスできるような飲み物やグッズを用意しているか?
とさまざまあります。要はあなたが「どのように扱われるとうれしいか」を実現することです。男性の店長であれば、女性の新人アルバイトを受け入れるとき、女性従業員にも確認してもらいましょう。口臭・体臭などは大丈夫でしょうか。
人間は環境によって言動を変化させます。モラルや状態、風習等レベルが高くても順応しようと努力するものです。逆に低ければ「こんなもんでいいのか」とレベルを下げてきます。こうなると状況を改善するのは難しくなります。
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●文/植竹剛(うえたけ つよし)1971年生。株式会社チームのちから代表取締役。大学卒業後、株式会社ロッテリア入社。店長経験を経て、チェーンストア化を目指す企業にヘッドハンティングされて転職。その後、数社で店舗運営に関するさまざまなノウハウを学び、2012年、組織における人の問題の解決支援を行う株式会社チームのちからを設立。これまで直接関わったアルバイト採用はのべ2万人、店長経験は11店舗に及ぶ。著書に『「できる店長」と「ダメ店長」の習慣』(明日香出版社)、『落ちこぼれスタッフから最強のチームを作る極意 店長養成道場』(日経BP社)がある。オフィシャルブログ: http://team-chikara.com/blog/店長養成道場: http://tenchoyouseidojo.com/バイトテロ対策: http://www.baitoterro.com/
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