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働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。(2019年8月8日)
ハウスクリーニング会社のマネジャーになって半年、君村文典さん(仮名・45歳)は現場に戻りたいと思い始めている。
「現場の作業員時代、マネジャーって楽そうだと思っていました。作業員は、朝から晩まで個人宅でエアコンやレンジフード、水回りの掃除をして汗びっしょり。でも、マネジャーはいつもきれいなスーツを着て、現場に来ても腰に手を当てて作業を見ているだけ。人がいないときは手伝ってくれますが、日常的に現場に出ていないから、なかには足手まといな人もいます。僕らはいつも『スーツ組はいいよな』と言っていました」
半年前、3人のマネジャーのうち、1人が退職した。君村さんは入社6年目、12班ある各作業部隊の班長になって2年がたっていた。社交的な性格で、マネジャーの上の立場にある部長とも親しかった。元高校球児同士という共通点もあり、かわいがってもらっていたという。マネジャーたちのだらしなさを、部長にひそかに進言したこともある。そんな関係だったこともあり、マネジャーに抜てきされたのだ。
「うれしかったですが、少し迷いました。今まで現場の立場から、上の人に言いたいことを言っていたのが、今度は逆の立場になるわけですから。それに、私の担当マネジャーだったMさんには生意気なことを言っていたので、同じ立場になってどういう関係になるか、不安でもありました。ただ、給料はアップするし、部長からの要請でもあったので、ありがたく受けることにしました」
しかし、現実は甘くなかった。マネジャーになってまもなく、君村さんが担当する班に退職者と長期離脱者が出た。君村さんはMさんを頼るのが嫌で、自分で現場に入って穴埋めをした。マネジャーの中ではリーダー的存在のMさんは、君村さんにそっけない態度を取っていた。班長時代、君村さんがMさんを飛び越えて部長に仕事の相談をしていたことを、おもしろく思っていなかったようだ。
「Mさんはベテランで、多くの清掃スタッフと長年にわたってコミュニケーションを取ってきているので、当日欠勤や急な退職者が出たとき、穴埋め要員を手配できます。しかし、私は自分が班長だった時代の班の人しか知らないので、人の手配にも限界があります。そうすると自分が現場に作業員として入るか、Mさんに頼るかのどちらかになるんです」
穴埋めの仕事に入った分、数字の管理がおぼつかなくなった。
「うちの会社は不動産部門も持っていて、そっちから回してもらっているお客さんも多いので、営業マンとの関係を築くことも仕事の1つです。また、季節のタイミングなどを見計らって既存のお客さんに電話をし、『エアコンの清掃、いかがですか?』という営業もしなくてはいけません。ですが、現場に入っていると時間が取れず、そうしたことができないんです」
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