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ココロの座標/河田俊男

第48回「自分を正当化する部下」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2020年3月26日)

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 人はミスや失敗をしたとき、「ちゃんと確認しました」「連絡していたのにどうして…」などと、自分に都合のいい言い訳をすることがある。それは、大きな失敗や大事故につながる可能性がある。

 

 

事故物件

 

 不動産会社に勤務する賢太は、マンションを購入したいという客を担当することになった。契約できればインセンティブが入る。数年前に営業事務の女性と社内結婚をし、今は2児の父親だ。妻はインセンティブのことを知っているので、毎朝「パパ、頑張ってね」と励まされた。

 

 その客はある中古マンションの物件を気に入り、「内見してよかったら買うよ」と言った。賢太が案内すると、すぐに買うことを決めた。決断の早さに動揺したが、インセンティブが入るのはうれしかった。そのとき、賢太はミスを犯した。その物件が事故物件だということを説明していなかったのだ。

 

 

 

 

賢太の主張

 

 

 その物件は住人が自殺しており、告知義務があった。賢太は上司に報告し、すぐに2人で客に事情を説明した。客は説明されなかったことに激怒し、物件の購入はキャンセルされた。上司はすぐに社長に報告した。社長と専務が手土産を持って客の自宅に行き、おわびすることになった。

 

 社内で賢太に批判の声が飛び交った。賢太は「マンションは上司が売主から依頼されたもので、十分な説明を聞いていません。そのために告知できませんでした」と主張した。だが、物件の説明書には、事故物件であることを示す記載があった。告知は基本中の基本で、故意に言わなかったのかどうかが問題になった。賢太は「故意ではない、自分は間違っていない」と言った。

 

 

仕事ができない

 

 上司は上層部から監督不足を指摘された。そのとき賢太について、「自分はこれ以上、彼をフォローできません。これを機会にクビにしたほうがいい」と進言し、「彼はいつでも自分を正当化します。おそらく今後も変わらないでしょう」とつけ加えた。

 

 実際、賢太は不真面目なところがあった。仕事中に連絡をしてもつながらず、後から「うっかりして携帯の充電がきれてしまいました」などと言い訳するのが常だった。だから、上司は賢太のことを、自分を正当化ばかりする仕事のできない人間と決めつけていた。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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