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外国人スタッフの定着と戦力化を図る/淺海一郎

第3回「テレワークにおける日本企業の課題」

採用した外国人スタッフに定着して、戦力として活躍してもらうために、企業が準備すべきことや、考えておかなければならないことなどを解説します。(2020年6月4日)

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 5月末現在、緊急事態宣言が解除された状況にはありますが、各地で予断を許さない事態が続いています。また医療現場などでは緊迫した状況の継続が見込まれます。このような状況下、業務の一部を初めてリモートワークに切り替えた企業も多いはずです。

 

 もちろん業種や職種にもよりますが、リモートワークによって業務効率を高めることに成功した企業がある一方、そもそもこういった働き方を想定していなかった多くの企業で働くスタッフのみなさんは、それぞれに課題を抱えながら業務を進めていらっしゃることと拝察します。今回も前稿に続き、テレワーク下における外国人スタッフとのコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

 

 外国人スタッフの話題に入る前に、オフィスワークとの違いからくる、リモートワークの難しさについて考えます。まずリモートワークを初めて導入する企業で働く管理職の多くは、スタッフの時間管理と業務の進捗管理、またスタッフのパフォーマンスに対する評価について課題を感じていることと思います。スタッフの着座や勤務態度などをカメラなどで確認する、監視ツールと呼ばれるものを導入している企業もあります。

 

 在宅という環境で自身が監視されることに抵抗感のある方がいらっしゃることは分かっているにもかかわらず、こういったツールを導入せざるを得ないと感じる上司側のマインドをさかのぼって考えていくと、日本企業の採用のあり方がそのヒントになるかもしれません。

 

 

 

 

日本の労働文化とリモートワーク

 

 そもそも日本では、ジョブ型と呼ばれる、いわば業務に人を充てる考え方でスタッフを採用するのではなく、メンバーシップ型と呼ばれるように、採用スタッフに業務を充てていく考え方の採用が主流です。ジョブ型と異なり、業務内容が明確に定まっていない(または定まっていても、それを明確にスタッフへ伝えない)状態で、柔軟に業務を進めるケースも珍しくないのがメンバーシップ型です。結果として、業務内容ではなく、勤務時間をもって勤務の実態とみなすケースも出てきます。さきほどの監視ツール導入の背景には、こういった労働文化が隠れているのかもしれません。

 

 一方で、多くの外国人スタッフにとって、文化的に親しみがあるのは、ジョブ型の採用です。就社、つまりその企業に仕えるという発想より、企業側から明示された業務内容と自分の専門性および将来を見据えて、文字どおり「就職」する(職に就く)という考え方のほうが、世界的には一般的だと言っていいと思います。

 

 もちろん、メンバーシップ型とジョブ型のそれぞれにメリットとデメリットがありますが、リモートワークとの相性という意味では、ジョブ型に軍配が上がるように思います。リモートワークではスタッフの時間管理が難しいということもありますが、上司ではなくスタッフ側の視点で言えば、業務を進め、その進捗を報告すること自体は充分に可能だからです。ただしそのためには、少なくとも以下の2点が整っていないといけません。

 

・上司からスタッフへ、(その日の)業務内容とゴールが明確に指示されていること
・リモートワークという環境では難しいコミュニケーションを補完するツールの導入

 

 これら2点は、スタッフの国籍に関係がありません。このうち、1点目については前稿で触れたところでもあるので、2点目について少し述べたいと思います。

 

 

>>>次ページにつづく

 

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●文/淺海一郎(あさみ いちろう)
内定ブリッジ株式会社代表。大手進学塾にて主に難関校を受験する子女の国語科教育を10年行い(実績約1,400名)、2009年に日本語教育業界へ転向。留学生や国内外の外国人会社員、会社役員へ日本語コミュニケーション教育を行う(実績約1,000名、国籍数61カ国)。現在は日本語教育事業に加え、年間で約40カ国500名の欧米、アジア圏人財への就労支援の他、社内教育や就労支援の現場で集めた多国籍の人財の声を、留学生教育機関(海外大学、国内大学等)や企業の皆様に、講演やセミナー、コンサルティングという形で届けている。

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