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マネジャーの心得/田中和彦

第8回「部下に新しいことをやらせたいなら、何かをやめさせる」

現場マネジャーに向けて、リーダーとしての心構えやマネジメントの手法などを解説します。

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「やることリスト」と「やめることリスト」

 「何かを手に入れたいなら、何かを捨てなければならない」という原理原則があります。人間というものは、限られた時間の中、「あれもこれも」同時にはできないからです。これは部下のマネジメントにも当てはまります。
 もし上司であるあなたが、今の部署でこれまでやっていたことに加え、組織として何か新しいことに挑戦しようとしたなら、恐らく部下から、「今の体制では無理です。人が足りません」というブーイングが起きることでしょう。

  従来の業務でさえ忙しくしているのに、「あれもやれ。これもやれ」では、部下は疲弊するばかりです。もし、何か新しいことを部下にやってもらおうとするなら、事前に現状の業務の中から、優先順位の低い業務をカットしていくことが不可欠になります。

 私が老舗の映画雑誌の出版社の経営改革を期待されたとき、部下に対して、具体的にいくつかの新しいことに挑戦してほしかったので、「やめること」を探すことから始めました。ただでさえ長時間労働の傾向のある社員たちでしたから、新しいことをやるための時間を何とかしてひねり出す必要があったのです。

 最初にやめたのは、業務日報でした。
 着任する前に、前任者の社長さんから引き継ぎを受けていたのですが、その際に、「部下の詳しい業務内容はこれを見ればいいから」と、ダンボール数箱に入っていたメンバーの業務日報を見せてもらったのです。それなりの分量で書かれていて、すべての日報に担当役員のサインと社長印が押されていました。
 私は、それらに目を通しながら、「まず、これからやめよう」と思いました。
 

 決して日報に意味がなかったわけではありませんが、読み進めるうちに、内容がやや形骸化していて、必要だから伝えたくて書いているのではなく、決まりごとだからページを文字で埋めているという様子がうかがえたからです。

 中には日報をまとめるのに毎日30分前後かける社員もいて、月に換算すると10時間近くを日報に費やしている計算になります。
 

 部下の「書くための時間」とその上司の「読むための時間」がもったいないと思い、着任早々、「日報はやめます」と伝えると、部下からは驚きとともにホッとしたような声が聞こえてきて、かなり負担感の大きな業務になっていたのが分かりました。
 日報の代わりに、上司への報告は、日々のホウレンソウ(報告・連絡・相談)の中で、口頭で伝えてもらうように指導しました。



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●文/田中和彦(たなか かずひこ)

株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)など多数。
連絡先:info@planet-5.com
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