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マネジャーの心得/田中和彦

第9回「“すぐやれ! 全部やれ!”では、原因究明できないことがある」

現場マネジャーに向けて、リーダーとしての心構えやマネジメントの手法などを解説します。

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人は、問題が起きた場合、その原因を自分の得意分野の中に見つけようとする

 以前、出版社全体の経営を任されたときに、雑誌や書籍の編集部門は比較的現場が見えていたのですが、販売部門のメンバーの動きが今一つ見えてなくて、マネジメントにとても苦労したことがありました。
 出版社の販売という仕事は、本の取次会社や書店を回って、流通する部数を決めたり、販売状況を把握したりするものです。各書店で、自社の雑誌や本を置いてもらうのに、いい場所を確保できるかどうかは、販売部員と書店の現場の担当者との人間関係も大きく影響します。書店の方とのコミュニケーションは、椅子に座って対面でじっくりなどというケースは少なく、「邪魔にならず、時間を取らせず」の立ち話的な状況がほとんどですから、足しげく何回も訪問することが重要になります。

 したがって、販売部員たちは、常に都内の主要な書店を何店舗も回っているので、オフィスにいることがなく、上司の立場としては日常的な行動を把握しづらいというわけです。

 人は、見えていないものや知識や経験のないことについては、問題化しないという傾向があります。言い換えれば、見えているものや知識・経験のある分野の中に、問題点を見いだしやすいということなのです。

 雑誌の売れ行きが悪いという話が出ると、私はついつい自分の得意分野である「編集」のことばかりに目がいっていました。編集部員も外出することが少なくありませんが、販売部員に比べれば、社内で仕事している時間も長く、目に付きやすいのです。

 「特集の内容で、もっとエッジを立たせたほうがいいんじゃないか」とか、「実利的な内容の記事が足らないのかもしれない」など、どうしても編集記事の内容のほうに言及してしまっていました。
 しかし、販売部の経験が長かった役員は、私に「販売戦略の見直しが必要です」、「ポスターなどプロモーションの予算をもう少し増やせませんか?」と言ってきて、販売部門に課題を見いだす傾向があったのです。

 つまり、「問題点や課題は、自分の得意なところに見出しやすい」ということを自分でも認識しておかないと、客観的な課題発見はできないということです。

 野球でも、ピッチャー出身の監督は、ついつい不振の原因を、投手陣に見いだしがちですし、野手出身の監督は、打撃の方に原因を探して、打順をいじったりするものです。

 人事部門の経験の長い人は、問題を人材採用や人員配置など組織のせいにしたがりますし、中でも教育部門がメインだった人は、研修制度やマニュアルの整備に解決策を見いだしたがります。営業経験の長い人は、営業戦略や営業スキルを問題にしやすく、マーケティングを専門に担当していた人は、宣伝の打ち方に文句を言いたがり、製造部門のほうからは、そもそも商品に課題があったというような意見が出てきます。

 こういうことが組織では日常的に起きているものなのです。

 原因究明をする場合は、自分の得意分野だけではなく、苦手な分野にも目を光らせておくということが重要なのです。私は、問題を発見しなくてはならないときは、必ず自分とはまったく畑違いの人の意見を聞くようにしていました。



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●文/田中和彦(たなか かずひこ)

株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)など多数。
連絡先:info@planet-5.com
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