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パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
平成28年度の地域別最低賃金の改定額が、すべての地域で明らかになりました。改定額の全国加重平均額は823円です。特に今年度は全国加重平均額25円の引上げとなり、最低賃金額が時給でのみ示されるようになった平成14年以降で、最大の引上げです。
当社で発行している求人情報には、パート・アルバイトでの募集を多く掲載しています。最低賃金額が高く設定されている地域(東京都、神奈川県など)では、募集時の時給が地域別最低賃金と同額のこともあり、近年この時期に賃上げを行わざるを得ない企業が少なくありません。そこで、今回のアイデムオリジナル調査では、地域別最低賃金の引上げがもたらす影響について、発行した紙面情報を元に調査しました。
調査対象は、当社発行の新聞折り込み求人紙「しごと情報アイデム」及び求人フリーペーパー「ジョブアイデム」です。集計対象はパート・アルバイトの時給で、深夜勤務は除いています。集計期間は平成28年1月〜6月です。これら条件に該当するデータを募集時平均時給として地域別に集計し、今年度の最低賃金を下回る募集の割合(以下、改定影響率)等を算出しました。
表1は、平成28年度の地域別最低賃金の改定影響率を、地域別にまとめたものです。最も影響率が高い地域は「大阪府」の42.1%、次いで「和歌山県」の36.6%、「神奈川県」の35.8%となりました。影響率が最も低い地域は「愛媛県」の5.7%、次いで「群馬県」の6.6%、「栃木県」の10.2%となりました。
平成27年度の地域別最低賃金の改定影響率を調査したときにも、「大阪府」、「和歌山県」、「神奈川県」の改定影響率の高さは際立っていました(アイデムオリジナル調査参照)。旧最低賃金額で募集、雇用をしていた企業の多くが、新最低賃金額で募集、雇用するというサイクルになっていることが考えられます。また、今年度の改定で地域別最低賃金が800円を超える「静岡県」は24.4%、「兵庫県」は25.6%となり、前回の調査時よりも10.0%以上高くなりました。
https://apj.aidem.co.jp/cgi/index.cgi?c=column_zoom&pk=614&sk=0
地域によっては、地域別最低賃金の改定がかなりの影響をもたらすことが分かりましたが、平均時給にはどのくらい変化があるのでしょうか。前述の条件の下、業種と職種ごとに調べました。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。同年8月、人と仕事研究所に配属。賃金に関する統計・分析を担当。人と仕事研究所WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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