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労働ニュースに思うこと

“子どもは欲しくない”アラサーが増加!?

日々、流れてくる、労働関連の多彩なニュース。本コラム欄では、アイデム人と仕事研究所の所員が、そうしたニュースに触れて「思うこと」を、持ち回りで執筆します。

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「子どもは欲しくない」アラサーが増加

 

 男女ともに、子どもを持つ意欲が下がってきている―厚生労働省が11月21日に発表した「第5回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の概況」の結果です。この調査は、平成24年の第1回調査時に20〜29歳だった者を対象に、毎年、同一回答者に行なわれています。同じ人物に回答してもらうことで、回答者のライフイベントや経年による環境や意識の変化を追いかけているのです。この第1回から第5回(今回)の4年の間に、回答者は20〜29歳から24〜33歳になっています。

 

 その中で、第1回から第5回まで独身だった者では、「子どもは欲しくない」と考えている者の割合が増加していました。男性では16.9%から27.1%へ、女性では14.0%から20.7%への増加です。反対に、「子どもを持ちたい」と考えている者の割合は、男性では68.3%から62.5%へ、女性は77.9%から71.0%へと減少。この4年で、「子どもは欲しくない」と考える独身アラサーが増えたようです。

 

 独身者だけではなく、結婚している夫婦(※1)でも同様の傾向が見られます。「子どもは欲しくない」と考えている者の割合は、子どもなし夫婦の妻側で10.3%(第1回調査)から20.7%(第5回調査)へと増加していました(夫側は10.3%で変化なし)。子ども1人夫婦でも、第1回調査から第5回調査の間に、夫側で18.0%から32.0%へ、妻側22.0%から40.0%へとほぼ倍増です。

※1 この4年間で出生のない夫婦

 

 

 

 

 

育児や女性を取り巻くネガティブムード

 

 以前に比べれば、少しずつですが、育児をしながら働き続けられる環境に向けて整備が進められています。2012年には、改正育児介護休業法が全面施行され、パパママ育休プラスや時短勤務・残業免除が可能になりました。さらに、2017年1月、10月には、企業へのマタハラ防止義務、育児休業の2年までの延長等が実現しています。

 

 しかし、それを覆い隠すように、ネガティブな話題も多く取り沙汰されています。言わずもがなの「待機児童」は、時期になれば毎年必ず話題に挙がるようになりました。今年の新語・流行語大賞候補には「ワンオペ育児」が、思い返せば、2016年は「保育園落ちた日本死ね」、2014年は「マタハラ」もノミネートされていました。また、先日は、地方市議会の女性議員が議場に乳児を同伴したことで、賛否両論が巻き起こりました。

 

 また、検索エンジンで「共働き」と打ち込むと、予測で「共働き 疲れた」「共働き 家事分担」が最初に出てきます。「育児」と打ち込めば、「育児休業給付金」の次に「育児 ノイローゼ」「育児 疲れた」が上位に並びます(※2)。子どもを持って働くにしても、そもそも預けられない。預けられたとしても、職場でフルでは働けないし、職場の理解や調整にもパワーを割くよう。そして、家庭のことが回らない。親に頼めば「孫ブルー」と言われ、家事や育児をアウトソーシングすれば、時短勤務でさらに低くなった給料が飛んでいく。一時の投資とは理解しつつも、なかなかハラオチせずに迷いや悩み(そして諦め)を抱えている人は多いと思います。

 

 こんな状況があるのに、産め、働け、輝けと言われても、若者からしたら“無理ゲー(クリアが難しい難易度の高いゲーム)”です。そこに憧れやキラキラ感は抱けません。子どもを持つとこんな苦労と疲弊した生活が待っているのか、と、もはや罰ゲームのように映るかもしれません。

※2 Yahoo検索2017年11月24日15:40現在

 

 

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●文/古橋孝美(ふるはしたかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動。パートタイマー白書、新卒採用・就職活動に関する調査等のアンケート調査を担当。雇用の現状や今後の課題について調査を進めている。2015年出産に伴い休職、2016年復職。

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