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働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。(2018年11月7日)
コールセンターのSV(スーパーバイザー)になって2年目、青山聡子さん(仮名・38歳)は業務量の多さに悲鳴を上げている。
「部下への指導、シフト調整、クレーム対応、新人教育に本部との打ち合わせなど、業務が多すぎて叫びたくなります。今のところ我慢していますが、いつキレるか分かりません」
青山さんは自動車事故の対応を請け負う会社に勤めている。関東圏に営業所が複数あり、2つの事務所のSVを兼ねている。部下のオペレーターは契約社員、パートを合わせて30人近く。女性が多く、入れ替わりも激しい。
「退職者が出ると本部から“コミュニケーションを取っているのか? 定期面談は実施しているのか?”と詰め寄られます。でも、はっきり言ってそんな時間はないですね。本部は現場の業務内容は知っていても、現場の空気は知らないですから」
シフトに大幅な穴が出ると、青山さん自身が現場のオペレーターになることもある。通常、青山さんは新人を中心に、オペレーターたちの仕事をリアルタイムでモニタリングしつつアドバイスを送る。大きなクレーム案件に関しては、直接オペレーティングすることもある。また、本部とのパイプ役として通達事項を現場の全員にすみやかに周知したり、スタッフを教育する仕事もある。
「オペレーターたちの処理能力には個人差があります。1つの案件に関して処理時間の目安があり、それをクリアできない人たちを指導し、全体の底上げを図るのが私の最大の仕事です。でも、ほかにもやることが多くてまいっています」
本部はクライアントから降りてきた通達事項の周知徹底・指導のスピードを求めてくる。人の入れ替わりが激しく、毎月新人が入ってくるから、そのたびに指導マニュアルを改訂・作成し、ミーティングで周知するのも青山さんの仕事だ。
しかし、欠勤者の穴を埋めるため、青山さんが現場オペレーターの1人にならざるを得ないことが少なくなく、指導どころの話ではなかった。本部のマネジャーに応援を要請しても「君のシフト調整が甘いんじゃないか? 現場で解決してくれ。こっちも忙しい」とにべもない。欠勤者たちへの連絡などの勤怠管理に面談、報告書の作成、週に1回の本部での会議、クライアントとの打ち合わせなど、山のような仕事をこなしていると休憩もままならない。さらに追い打ちをかけるように、現場の女性たちとの関係も厄介なのだという。
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