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ココロの座標/河田俊男

第41回「パニック障害になったら」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2019年8月29日)

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 近年、有名人が過去にパニック障害になったことを告白するケースが増えている。現在、パニック障害は一般的に知られ、誰でもなり得る病気になった。身近な人がなっているかもしれない。

 

 

ネガティブな上司

 

 35歳の由紀子はベテランの公務員だ。2カ月前から上司になった女性は、どんなときでもネガティブな言い方をする人だった。例えば、「このプロジェクトは無理があるから失敗するでしょう。担当者にやめると伝えてください」と言うのだ。そのため由紀子は、尻ぬぐいの仕事ばかりさせられるようになった。進行中の仕事も中断を命じられ、理由は彼女が考えなければならなかった。

 

 以前の上司とは正反対の性格で、彼女は日常会話でも「不安だわ」「うまくいかない」「無理だ」「どうせダメよ」などと否定的な物言いばかりしていた。由紀子は、どんな仕事も否定されるので、何もできない状態になってしまった。

 

 

 

 

飛び込み自殺

 

 そんな折、由紀子は通勤途中、人が電車に飛び込むのを目撃してしまった。飛び込んだのは、自分と同い年くらいの女性だった。しばらく事故現場にくぎ付けになっていたが、出社しなければならないので先を急いだ。

 

 会社では事故の話はしなかった。あまりにもひどい状況だったので、口にできなかったのだ。それから1週間がたったころ、夜中に突然発作が起きた。息ができなくなり、死ぬかと思った。夢を見ていて、電車に飛び込んだ女性が出てきた。寝ることが恐ろしくなり、その日は休みをとった。「重い病気になったのではないか」と不安に襲われたが、病院で診断を受けることは怖く、少し様子をみることにした。

 

 

不安感が増す

 

 初めての発作から1週間後、会議中に急に気分が悪くなり、発作が起きた。その日は家に帰り、翌朝、出社前に病院に行った。するとパニック障害と診断され、医師に「薬を飲めばよくなりますから、大丈夫ですよ」と言われた。重い病気ではないと知り、少し安心した。

 不眠だが、睡眠薬は飲まないようにしていた。夜が怖いのだ。不眠で顔色は悪く、目の周りは真っ黒で急に老けてしまったように感じた。

 

 

自分もネガティブに

 

 今まで由紀子は仕事に対して前向きで、積極的だった。だが、発作が起きてからは上司と同じように考えるようになり、ネガティブな物言いをするようになった。パニック発作で自分をコントロールできない経験や死の恐怖を感じたことで、彼女の行動や人生観は変わった。できる限りストレスになりそうなことを避けるようになったのだ。
電車で発作が起きたら不安だったので、通勤以外では乗らないようにした。一緒にいるときに発作が起きたら怖いので、付き合っていた男性や友人とも極力会わないようにした。

 

 

>>>次ページに続く

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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