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メンタルコントロールは仕事の成果や自己成長につながる重要なスキルです。ビジネスシーンでわき起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2021年12月14日)
社内の体験的なカウンセリングに訪れた35歳のJさん。「なんでも話していいですよ」と促すと、いきなり「この面接って意味ないですよね」と挑戦的。「どうして?」と聞くと、以前仕事の悩みを先輩に相談したところ、ろくなアドバイスもらえないばかりか、最後は先輩の自慢話で閉口したという。
「言っちゃ申し訳ないけど、自分のほうがよく考えているし、情報にも詳しい。それに今どきYouTubeやTikTokを見たり、グーグルで検索すれば、悩みの解決のよいヒントはたくさん見つかる」とJさん。
なるほど、と半分同意しながら、「でも、僕のところには高いお金を払ってまでも、相談したいという人がたくさん来ます。その現実はどう理解する?」と聞くと、「自分で決め切れない人とか、依存的な人が多いということですか?」と彼。「いや、会社の社長や弁護士さん、政治家など、社会で成功している人も多い」と答えたら、少し関心を持ち始めた。
そこで「例えばテニスの一流選手がコーチを雇いますよね。そのコーチよりうまいのに、どうしてコーチが必要なんでしょう?」と追い打ちをかけると、彼は素朴な顔をして「どうしてなんですか?」と聞く態勢に入ってくれた。そこで私は、人が相談することの意味を解説することにした。
相談は情報収集というより再起動のプロセス
Jさんの言うとおり、今はいろんなところで情報が入る。では、人は情報が入れば、それで悩みを解決できるのだろうか。
単純に情報不足の悩みもある。その場合は、情報で解決するだろう。ところが多くの場合、人は情報不足というより「どう決めていいか」「どう考えていいか」「どう行動していいか」という選択に困っており、情報があっても、なかなか決心や心の整理がつかなくて悩んでいるのだ。
私はJさんに言った。「あなただって、こうするべき、こうあるべきと頭では理解できても、どうしてもそう動けないときがありますよね。そういう悩みの場合、情報はあまり意味がない。相談が、情報だけを提示するものなら、僕はグーグルより情報通でなくてはならないが、実際はそうではない。では、何で支援しているのか。それは、脳の再起動を手伝うということです」
「再起動ですか!?」とJさん。続けて、私は「人はいろんな感情や考えがあり、それが整理できないでいると、ちょっとパニック的になる。つまり、脳すなわちコンピュータがうまく機能しない状態になります。考えが進まなくなるときもあれば、やたら考えてしまうのだけど、同じことだけをループしたりする。これは、頭の良し悪しとは関係なく、不安や恐怖、悲しみ、動揺、自信のなさ、自責や睡眠不足や過労による脳の疲れなどが原因です。働かないコンピュータにいくら情報を入れても、いい答えは出ない。そこで、人は誰かに相談して、再起動するんです」とお伝えしました。
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●文/下園壮太(しもぞの そうた)
元陸上自衛隊メンタル教官、メンタル・レスキュー協会理事長、同シニアインストラクター。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。陸自初の心理幹部として、自衛隊員のメンタルヘルス教育、リーダーシップ育成、カウンセリングなどを行う。退官後は講演や研修を通して、独自のカウンセリング技術の普及に努める。『自衛隊メンタル教官が教える心をリセットする技術』(青春出版社)、『50代から心を整える技術』(朝日新書)など著書多数。
https://www.yayoinokokoro.net/
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