「人材の活用」「従業員の教育」「人事制度」等について、事例満載の記事や専門知識が深まるコラム等を展開。自社の活性化や雇用管理のヒントに!

「経営者やパート従業員の意識」等について、さまざまなデータを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

「平均時給 の検索」「時給の平均や動向」等について、データを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

アイデム人と仕事研究所では、「ビジネスマナーのブラッシュアップ」「新入社員の戦力化」「職種別・階層別の知識・スキルアップ」等につながるセミナーを開催しています。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

職場のメンタルヘルス/河田俊男

第19回「おもてなしの舞台裏」

オリンピック招致のプレゼンで話題になった「おもてなし」について考察します。

< 1 2 >
 東京でオリンピックが開催されることが決まった。それと同時に日本における「おもてなし」が注目されることになった。日本的な「おもてなし」とは、どんなものなのだろうか。分かっているようで、分からないものだ。



ホテルの異臭事件

 以前、ある東京のビジネスホテルに泊まったとき、部屋に入ってすぐ異臭に気づいた。はじめはコロンの残り香か、とも思った。異臭のするバスルームに入って、便器をのぞくと大便があった。あわてて水を流し、窓を開けた。異臭が落ち着いてきたら、急に腹が立ってきた。フロントに電話をすると、すぐにホテルの従業員が来た。

 私が「トイレに大便があって、部屋に異臭が漂っていた」と言うと、従業員は逆ギレしたように「そんなことがあるはずはありません。変なクレームを言わないでください」などと言った。私はあぜんとした。

 このホテルのおもてなしは最低だった。客のクレームには、本当のことがある。しかし、モンスターな客がいるのも確かだ。



「おもてなし」の原点

 四国の巡礼地では、巡礼者に食事を出したり、宿泊の世話をしたりする人がいる。それは、巡礼をする人が仏の化身のように思え、その世話をすることが功徳になるという仏教的な背景があるからだ。また、世界中に旅人は神の使いで、大切にするという習わしがある。

 恐らく、昔の旅人は重要な情報を持っており、人々にさまざまなことを伝えていたのではないかと考えられる。また、人々が安全に暮らすには他の地域の状況を知ることが、いかに大切だったか想像に難くない。

 だから、旅人を心からもてなすことは自分を救うことであり、人々の喜びでもあった。それがホスピタリティ(おもてなし)の原点なのである。



さまざまなクレーム

 あるホテルの宴会係は、客が「当日出席しなかった招待客の人数分の食事代金を返金してほしい」「試食したときと、当日の食事が違う。返金してくれ」「大切な招待客のスピーチ中に皿を片づけていてうるさい」などというクレームに疲れ果てた。
また、別のホテルの客室係は、客から「部屋にロレックスを忘れた。探して出てこないのは、掃除担当者が盗んだからだ。どこかで現金にするか、人に見せて自慢するのか知らないが、返してほしい」というクレームをつけられた。客室係が「どこか他にお忘れになっていないでしょうか」と言うと、完全にキレて「同じものを買ってこい!」などと怒鳴った。

 ほかにも、こんなクレームに悩まされた。客から「毛布にダニがいる。毛布を替えてほしい」という電話がかかってきたので、早速、替えの毛布を持っていった。すると、「この部屋にダニがいる。部屋を替えてくれ」と言い出した。たまたま部屋が空いたので別の部屋を用意したが、「ここにもダニがいる。かゆくて仕方がない。ダニのいないところで寝させてくれ」と言われた。その客室係は一晩中クレームに付き合わされたという。

 あるリゾートホテルでは、「鈴虫がうるさい! 大きな鳴き声で鳴いているやつを始末してくれ!」というクレームがあった。従業員が「どれが大きな声で鳴いているのか、分かりません。また、ほかのお客さまはこの虫の音もお気に入りになって過ごされていますので、鳴き声をなくすことは…」と言うと、客は「ほかの人はどうでもいい。うるさくて眠れないから、処分してくれと言ってるんだ!」と激怒した。確かに慣れない都会人にとっては、鈴虫の鳴き声をうるさく感じる人もいるだろう。しかし、自然が売りのリゾートホテルだ。そのホテルの従業員もこんなクレームに疲れ果てた。



※次ページ以降の閲覧には、会員登録(無料)が必要です





●河田俊男
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
< 1 2 >

この記事のキーワード

クリックすることで関連する記事・データを一覧で表示することができます。

一覧ページへ戻る

2ページ目以降をご覧になるには、会員ログインが必要です。
会員登録(無料)がお済みでない方はこちら

会員登録(無料)はこちら

その他のコラム記事を見る

人気記事ランキング

ココロの座標/河田俊男

[第97回「仕事が遅い理由」]
人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

事例で考える困ったときのマネジメント対応/山田真由子

[第1回「セクハラを受けていると相談されたら」]
働き方や価値観が多様化する中、マネジメントは個別対応が求められています。さまざまな事例から、マネジャーに求められる対応を解説します。

人材育成のツボ

[組織の生産性向上へのカギ、「EQ」について考える]
アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。
注目のコンテンツ

人と仕事研究所Facebook