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職場のメンタルヘルス/河田俊男

第22回「ギャンブル依存」

今回はささいなきっかけからギャンブルにはまり、深刻な依存症になってしまった男性の事例です。

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 街にはさまざまなギャンブルがあふれている。楽しんでいるうちはいいのだが、人によっては病的な依存症に陥ってしまうこともある。


隣のご主人

 智也の隣家に住むご主人は大手商社マン。週末は外車に乗って別荘に遊びに行き、年末年始は家族で海外旅行だ。同い年の子供がいることもあって家族同士の仲はよく、いつも海外のお土産をもらっている。


 地元の信用金庫に勤める智也の家の経済状態は切迫しているわけではないが、別荘を所有したり、家族で海外旅行ができるほどの余裕はない。隣家の生活に憧れているわけではないが、なんとなく不満を抱えていた智也は、週末に開催している競馬に行ってみた。するとビギナーズラックで勝った。帰りには、豪華なケーキやおもちゃを子供たちに買って帰った。

 それからというもの、智也は週末になると競馬、競輪、競艇に通うようになった。資金が尽きるのは時間の問題だった。やがてサラ金に手を出し、返済に追われるようになるとお客の預金を横領した。伝票操作でごまかしていたが、監査が入る直前に上司に打ち明けた。上司は管理責任を問われることを恐れ、話を公にせず、智也本人の退職金などで横領を補てんすることにした。

 智也は退職し、ギャンブル借金問題は解決したかに思えた。しかし、智也は退職後もギャンブルを始めた。


なぜ、狂ったのか

 周囲に智也の異変に気づいた人はいなかったのだろうか。恐らく周囲の人たちは、智也のギャンブル依存症ではない健康的な部分に接しているから分からなかったのである。しかし、闇の部分では、病的なギャンブル依存がどんどん進行していった。


 依存をやめさせるには、智也の話を深く聞いていくしかない。病的なギャンブル依存症に陥るのは、精神的に孤立しているせいかもしれない。一見幸せそうな家族と一緒にいても、職場で同僚と楽しそうに仕事をしていても、実は精神的に追い詰められていた可能性もある。精神的な深い孤立から救い出すことはかなり大変なことである。


依存症という精神疾患

 パチンコや競馬、競輪、競艇は娯楽である。問題は、それらにのめり込みすぎると依存症という精神疾患になってしまうことだ。

 個人的なレベルで依存している程度ならまだいいが、職場の同僚や上司にうそをついて遊ぶための資金を確保したり、会社のお金を横領するなどの行為にエスカレートしてしまうことは問題である。職場でのコミュニケーションを円滑にし、病的なギャンブル依存になる前に治療を受けさせるなどの対策が大切だ。


<メンタルヘルス豆知識>

 ギャンブル依存症の特徴は、うそとごまかしがついて回ることだ。ギャンブルにつぎ込む資金を作るために周りにうそをついて借金をし、そのことをごまかす。思考のゆがみも特徴的だ。「負けても、勝って取り戻せばいい」と根拠のないことを思ったり、「ギャンブルはお金を稼ぐいい方法だ」などと自分に都合のいい考え方になっていく。


 依存症になるきっかけはさまざまだ。ストレス解消目的でパチンコをやったら気分がすっきりしたことから病みつきになった。あるいは、収入が低いことから将来に不安を覚え、一発勝負のギャンブルで不安を回避しようとしてはまってしまう。または、わずかな蓄えを大きくしようとしてはまるなど、いろんなルートがある。



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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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