今、最も注目を集める「俺の」シリーズのレストラン創業者が語るリアル経営問答集
年間1000冊のビジネス書を読む出版コンサルタントの土井英司さんが、人材の活用や育成などをテーマしたビジネス書を厳選して紹介します。
★今月の1冊
『俺のフィロソフィ』
著者:坂本孝(語り手)、福井康夫(聞き手)
出版社:商業界(200ページ/定価1,620円)
今月の1冊は、ブックオフの創業者であり、「俺のイタリアン」をはじめとする飲食業の新業態でも大成功した俺の株式会社代表取締役社長の坂本孝氏が、自らの経営哲学とマネジメント手法を語った1冊。
弟子であり、上場企業メディアフラッグの経営者、福井康夫氏が聞き役を務め、まとめるという体裁で、かえって氏の哲学がよく引き出された内容となっています。
福井氏によれば、坂本氏の経営は、以下のようなスタイル。
<誰も思いつかないような革新的なビジネスモデルを作って、まずは「仕組み」で勝つ。そして、「仕組み」を実際のビジネスとして動かしていくのは「人」です。従業員のモチベーションを高め、その持てる能力をいかんなく発揮させることで「圧勝」するのが、坂本さんの経営です>
本書では、「俺のイタリアン」の「仕組み」→「人」の順に話が展開され、最後に「経営者の資質」がまとめられています。3つのなかの「人」の部分にフォーカスしてご紹介しましょう。
本書によると、坂本氏がスタッフに語っているのは、たった一言。「仲間のために汗をかく」ことだそうです。これは、坂本氏の師匠である、稲盛和夫氏の哲学に影響を受けた言葉です。
そして注目したいのは、本書74ページにまとめられている「計画達成のための4か条」。
●計画達成のための4か条
1.一つの部門のメンバーが全員自分の部門の目標を知っていること
2.部門の数字がメンバー全員に分担されていて、全員達成意欲を持っていること
3.メンバーは自分の数字に責任を持っていること、リーダーは数字のチェックを日常的に行っていること
4.目標のために常にミーティングにより衆知を集めていること
意外と徹底できない細かなことがきちんと明文化されていることが分かると思います。
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●土井英司(どい えいじ)
出版コンサルタント、ビジネス書評家、エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役。1974年生。慶大卒。オンライン書店アマゾンの日本サイト立ち上げに参画。数々のべストセラーを仕掛け、カリスマバイヤーと呼ばれる。現在、出版コンサルタントとして著者のブランディングからマーケティングまでをトータルで行う。プロデュースした書籍に、100万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』、シリーズ累計37 万部を突破した『年収200万円からの貯金生活宣言』など多数。著書に『成功読書術』(ゴマブックス)、『土井英司の「超」ビジネス書講義』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
http://eliesbook.co.jp/bbm
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