世界最強企業のリーダー養成機関が教える仕事の基本
年間1000冊のビジネス書を読む出版コンサルタントの土井英司さんが、人材の活用や育成などをテーマしたビジネス書を厳選して紹介します。
★今月の1冊『世界最高のリーダー育成機関で幹部候補だけに教えられている仕事の基本』 著者:田口 力出版社:角川書店(230ページ/定価1,404円)
今月ご紹介する1冊は、「世界最強企業」GE(ゼネラル・エレクトリック社)が誇るリーダー育成機関、通称「クロトンビル」で、上級経営幹部に教えていたという著者が、「仕事の基本」とキャリア形成のポイント、リーダーシップについてまとめた、注目の1冊。 期待しているようなクロトンビルの研修プログラムが出てくるわけではありませんが、日本人で唯一「クロトンビル」でリーダーシップ研修を任されたという著者が、GE流の仕事術、そして自身が考えるキャリア形成の秘訣を述べています。まずは、仕事術のポイントからご紹介しましょう。
・やるべきことが10項目あったら、下から7つは手を付けてはいけない
・「給料の6%」を自分に投資する
・まず、先輩社員を「完全コピー」する
・目標に到達するためのステップを設定する
これは、個人に対する教えとしてはよく分かる話ですが、マネジメント側がきちんと指導できているかというと、難しい気がします。上司はやるべきことを10項目全部やれと言うでしょうし、目標に到達するためのステップも設定できていないことが多いと思います。
また本書には、リーダーが知っておきたい「伝え方」についても、いくつか示唆に富んだ話がありました。 例えば、プレゼンテーションのコツについて。著者は、プレゼンテーションのメッセージは3つで構成するのが良いと説いています。3つというのは、以下の3点です。
◆プレゼンテーションを構成する3つの要素
・問題や課題の客観的な現状とその分析(Problem)
・問題や課題に対する解決策(Solution)
・解決策を実施した場合に想定される効果(Impact)
プロブレム、ソリューションまではできていても、インパクトまで意識できている人は、なかなかいないのではないでしょうか。
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●土井英司(どい えいじ)出版コンサルタント、ビジネス書評家、エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役。1974年生。慶大卒。オンライン書店アマゾンの日本サイト立ち上げに参画。数々のべストセラーを仕掛け、カリスマバイヤーと呼ばれる。現在、出版コンサルタントとして著者のブランディングからマーケティングまでをトータルで行う。プロデュースした書籍に、100万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』、シリーズ累計37 万部を突破した『年収200万円からの貯金生活宣言』など多数。著書に『成功読書術』(ゴマブックス)、『土井英司の「超」ビジネス書講義』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。http://eliesbook.co.jp/bbm
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