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人材育成のツボ

職場の危機管理の意外な盲点

アイデム人と仕事研究所の研修部門の所員が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。

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　「職場の危機管理」とよく言われますが、皆さまの職場の危機管理はいかがでしょうか。顧客情報の流出や社内の機密事項の漏洩、クレーム対応等、ささいなことでも危機管理を怠ると、会社に大きな損害をもたらす事態になってしまうケースもあります。
　先日、お客様から「パートの仕事に対するプロ意識や危機管理への意識が薄いので、それを改善する研修を実施したい」とのご要望をいただきました。


　研修対象者は、20代〜30代の社員の方、40〜50代を中心としたパートスタッフの方です。パートスタッフの方はキャリア10年以上で仕事に対するスキルが十分にあり、ご自身のキャリアやスキルに対してプライドをお持ちの方が多くいらっしゃいました。
　具体的にお話を伺ったところ、業務上、多くの個人情報に接するため、情報の管理やお客様とのやり取りについても、慎重に対応しなければならないとのことでした。


　普段から社員の方を中心に、マニュアルに基づいて、書類の管理やメールの発信、電話でのやり取りまで、気づいたことがあれば、細かく注意をして、危機管理を怠ることがないようにしていたそうです。
　では、なぜ今回の研修を依頼していただくことになったか。それは、社員とパートの関係に問題がありました。
　社員は異動があるため、同じ職場に長く留まることはありません。しかし、パートスタッフは異動がないため、ずっと同じ職場で働き続けているのです。そのため、仕事・職場でのキャリアが必然的にパートスタッフのほうが上になってしまうのです。実際、業務への習熟度やマニュアルへの理解度が高いパートスタッフが、「異動してきた社員に仕事を教える」という構図ができてしまっていたのです。


　そのため、社内での立場が逆転してしまい、社員がパートスタッフに指摘するべきことや改善すべきことがあった場合、毅然とした態度で伝えることができなくなっていました。また、伝えたとしても、パートスタッフの方々は、「今までこれでやってきた」「このお客様はこの対応で良い」等、聞く耳を持たない状況にありました。
　更に、社員の中には「年上の部下」を持つことになる方もいるため、注意すべきことや改善点をしっかりと伝えることができずにいました。

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●文／青�膨�一（あおやぎ よういち）
株式会社アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画担当。
大学卒業後、大手自動車メーカーの営業職に従事。その後、人材派遣会社にてアウトソーシングの現場管理・人材教育を担当。現在、アイデム人と仕事研究所にて企業のより良い人材育成・活用をお客さまにご提案できるよう、業務に取り組んでいる。
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