1年目の新入社員に教えるべきこととは?
年間1000冊のビジネス書を読む出版コンサルタントの土井英司さんが、人材の活用や育成などをテーマしたビジネス書を厳選して紹介します。
こんにちは、土井英司です。このコーナーは、テーマを決めて1テーマにつき3冊の関連書をご紹介。今月は、「1年目の新入社員に教えるべきこととは?」をテーマに3冊をご紹介します。
新人向けの本というと、通常マナーなどが来るのですが、面白かったのが、元NHKキャスターの矢野香さんの本。 『「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書』というタイトルで、新人が上司・先輩とどうコミュニケーションすればいいか、具体的テクニックと会話例を示した1冊です。
★「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書(矢野香 著/プレジデント社/定価1,512円)
上司は、「見どころがあるかどうか」をどうやって見極めているのか、じつはそれは、「見どころのある人」特有のコミュニケーションができているかどうか、です。本書では、元NHKキャスターで、現在は政治家、 経営者、ビジネスマンに話し方指導をしている矢野香さんが、「見どころがある」と思われるための話し方を指南しています。
・最初の15秒で、いい話か悪い話かを報告する(残りの45秒で詳細を話す)・逆説の接続詞は使わない・数字や固有名詞をきちんと入れて報告する(「98個が納品されました」「進捗率は98 %です」など)・食事は、上司と同じものを頼もう(「あ、私も今日は魚の気分でした」など)・会社の未来や歴史を語れる人は、評価が高い・事実のみを話すことで信頼される
など、本書で書かれている内容を、2つ3つ試すだけでも、上司の見方が変わること請け合い。部下を指導する立場にある方なら、きっと「うんうん」と頷くはずです。
ベテランでも役立つ内容としては、すぐにお礼をすればよかったのに、うっかり忘れてしまった場合のテクニック。「お会いすると思ったので、先日のお礼にこれを持ってきました」 と言えば、忘れたことを告げて信頼を損ねることなく、フォローできます。 これは、研修などでも使えそうな、良くまとまった1冊です。
続いて、読んでおきたいのが、ベストセラー作家であり、カリスマ研修講師でもある、安田正さんの『かわいがられる力』。読者にも、企業の研修担当にも好かれ、ビジネス絶好調の著者が、どうやって人に好かれてきたのか、そのエピソードが学べる、 興味深い1冊です。
★かわいがられる力(安田正 著/PHP研究所/定価1,404円)
目次がすべて「エピソード」となっており、計10個のエピソードが登場。そこから著者が得た教訓と ともにまとめられています。
・相手の期待値の1.5倍やれば、信頼を築き、かわいがられることができる・あなたの強みを印象づけられるような表情や声をしてみる・相手との距離を縮める
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●土井英司(どい えいじ)出版コンサルタント、ビジネス書評家、エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役。1974年生。慶大卒。オンライン書店アマゾンの日本サイト立ち上げに参画。数々のべストセラーを仕掛け、カリスマバイヤーと呼ばれる。現在、出版コンサルタントとして著者のブランディングからマーケティングまでをトータルで行う。プロデュースした書籍に、100万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』、シリーズ累計37 万部を突破した『年収200万円からの貯金生活宣言』など多数。著書に『成功読書術』(ゴマブックス)、『土井英司の「超」ビジネス書講義』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。http://eliesbook.co.jp/bbm
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