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マネジャーの心得/田中和彦

第22回 部下が「無駄なことはしたくない」と言ったら

現場マネジャーに向けて、リーダーとしての心構えやマネジメントの手法などを解説します。

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効率の悪い仕事が人を成長させる

 

 「無駄なことは一切やりたくない」、「効率の悪いことに自分の力を使いたくありません」…など、手間のかかることを毛嫌いする若者が増えています。
 最近の若い人は、生まれたときからインターネットがあるわけですから、高度に情報化された世の中が当たり前なのです。なので、膨大な情報の中から必要な情報だけを取捨選択する能力には優れたものがあります。

 

 例えば、飲み会などのお店を決めるときも、数多くのレストランの中から、口コミサイトにアクセスし、人の評価をきちんと読んでから、多くの人が高く評価した店を予約します。たしかに、こうすれば当たりはずれはなくなりますし、無駄も省けます。
 最小の手間で、最大の結果を出すことのみに目が行ってしまっているわけですが、効率ばかりを目指した結果、その人にとっての「すごくおいしいもの」や「すごく好きなもの」が、分からなくなります。平均的に「よいもの」は、誰にとっても、平均的に「満足できるもの」ですが、「すごくよいもの」は、人によってまったく違ったりするものです。際立った特徴のあるものほど、評価は人によって分かれやすいからです。

 

 もちろん効率を否定するわけではありませんが、効率だけを目指すと、善し悪しを判断する嗅覚を衰えさせることにもなりかねません。また、そういう「いいとこ取り」の人は、ビジネス面でも、手間のかかる仕事を無駄だと決めつけ、目も向けようとはしなくなります。
 効率のよい仕事とは、先が読めて誰にでも容易にできそうな内容です。こういう仕事は、手慣れている分、苦労もない代わりに、学びも少なくなります。
 逆に、効率の悪い仕事や、先が読めず、成功が約束されているわけではない仕事、一見、割の合わない仕事のほうに、あとから振り返ると、意外に自分を成長させ、財産になったと言えるようなものが多いのです。

 

 

 

アウトプット型よりインプット型

 

 フリーランスで仕事をしている人の場合、最初から仕事の内容が決まっていて、それに対して、自分の持っているスキルや知識をアウトプットすることで、すぐに成果が現れるものは、アウトプット型の仕事です。言い換えると、過去に何度もやったことがある仕事で、「自分の中にあるものを吐き出す代わりに、報酬をもらう」仕事になります。

 

 一方、割の合わない仕事は、インプット型です。今までに取り組んだことのない仕事で、企画をゼロから立ち上げるには、それなりの下調べが必要です。関連書籍を読んだり、専門家にヒアリングしたりして、勉強しなくてはなりません。それが、結果的に新しい知識を増やし、今までにない人脈を広げることになります。文字通り、自分にインプットするものが多いのです。残念なことに結果として通らなかった企画書ですら、また将来的に活用されるかもしれないノウハウとして蓄積されていきます。成果に結びつかなかった経験も、必ずあとで生きてくるものなのです。

 

 インプット型とは、「報酬をもらわなかった代わりに、自分の中に知識や経験やノウハウや人脈を吸収する」仕事ということです。

 

 

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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)など多数。
連絡先:info@planet-5.com

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