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アイデム人と仕事研究所の研修部門の所員が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。
厚生労働省が発表している卒業後3年以内の離職状況が概ね、中卒者が卒業時の7割、高卒・短大卒が5割、大卒が3割であることから、若者の早期離職の高さを表す「七五三現象」という言葉が使われ始めて久しい。ところが、企業の担当者に聞くと、離職はもっと早い段階で起こっている。仕事を始めてから3日以内に辞めてしまうアルバイト、4月入社で現場配属して3週間、5月半ばの突然退職、また3ヶ月ほどたった夏季休暇前後の退職という現実が現場にはあるようだ。
「3日、3週間、3ヶ月、3年」この前後の離職に関して、その原因と対策を私なりに考察してみる。
まず、3日とか3週間以内という早期退職については、受け入れ態勢の不完全さということが考えられる。『マズローの欲求五段階説』を借りれば、低次の欲求として「生存」と「安全」が挙げられているが、就職を考える人に、この二つの欲求が満たされていないという現実はなかなか考えにくい。すると次に満たされなければならないのは、「社会的欲求」。社会の一員として認められたいという欲求である。この欲求が満たされなければ、より高次の「承認」や「自己実現」の欲求は起こらないというのがマズローの考えだ。ここで言う社会とは、人の集まりのこと。家族、地域、学校、そして企業などのことである。アルバイトでも正社員でも採用された企業の一員として認められているという実感がなければ、この組織でがんばろうという欲求は起こらない。
このマイナスのモチベーターは、入社後ごく早期に機能してしまう。入社直後は、だれでも不安いっぱいの状況。その不安が解消されるならまだしも、増大されるようなら「ここでいいのだろうか」という疑心は「やめとこうかな」という悪い結論の種を生じさせてしまう。「面接時の説明とはずいぶん違うなあ」とか「私のこと知らないんだ」とか「どこに行って何をすればいいのだろう」という不安は、この組織に所属してよかったという「社会的欲求」を満たさないどころか、辞めようという結論を引き起こすことにつながるのである。
アルバイトの入社初日には、出勤時間に合わせて店舗内でウェルカムパーティーをするという企業があったが、そこまではしないまでも、今日から新人が来るということを当日のスタッフが知らないという状況はまずい。入社から1ヶ月目くらいまでは、OJTスケジュールも含め、きちんとした受け入れ態勢を整える必要がある。できれば困ったときの相談役(メンター)も選任しておくとよい。
採用面接の際の職場見学も3日以内という超・早期離職対策になっているという事例もある。が、見学の際の受け入れもしっかり行わないと、職場見学が諸刃の剣になり、採用辞退という結果も起こしかねないが、そのような現場なら、いずれにせよ…である。
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●文/吉野秀一(よしの しゅういち)
アイデム人と仕事研究所 研修プランナー。
法人向け営業担当、学習塾経営、河合塾国際教育センター常勤講師(中華民国対外貿易発展協会に出向。対日貿易人材養成を担当)を経て現在、アイデム人と仕事研究所にて就職セミナー、キャリアカウンセリング、新入社員研修などの講師、また多くの企業の人事担当者と面談し、採用と育成についての企画・提案を担当。採用側、求職者側両者の視点での面接と採用に関する講演も数多い。
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