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【企業に聞く】人が活きる組織

株式会社辻洋装店/事業継続のカギは、40年前から始めた人材育成

やる気を引き出す仕組みや教育制度などの人事施策や、働きやすい職場環境の実現など、人に関する企業事例を紹介します。

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 東京は中野の地に戦後間もない1947年に創業して以来、辻洋装店はプレタポルテ(高級婦人服)の製造を一貫して手掛けてきた。職人的な技能が求められる服飾の世界において、かつて日本は多くの優秀な技術者を輩出していたが、この20年前後で生産拠点が海外に移動していくと急激に衰退してしまう。今では日本で製造される洋服は、わずか3%にまで縮小している。

 

 そんな中でも辻洋装店は、時代の荒波にもまれることなく、堅実に経営を続けてくることができた。ここまで生き残ってきた最大の要因は、人材育成に力を入れてきたからだという。事実、2015年度には東京都の中小企業技能人材育成大賞を受賞するなど、その育成力の高さには業界内外から注目が集まっている。同社の2代目である代表取締役の辻庸介さんに、いかにして職人的技術の伝承に取り組んでいるのかを伺った。

 

 

―どのような教育制度を導入していらっしゃいますか?

 

 基本的には業務の中で教育するOJTが主体となります。通常、4〜5人の班(グループ)に分けて1着の服を作っており、リーダーを中心に適宜、若手の指導をしていく形を取っています。

 

 ただ、先輩の仕事の時間もありますので、新人の個々のレベルに合わせたキメ細かな教育を行いたいと思っても、どうしても限界が生じてしまいます。そこで、数年前から教育制度の体系化に着手。1、2、3年目と年次ごとに習熟度の基準を作り、年2回の試験をクリアして次のステップに進むという制度を導入しました。

 

 その人の習熟度が一目で分かるように「職業能力評価シート」という個人の能力をチェックするツールも用意。確固たる目標があるので指導も的確に行いやすいですし、学ぶ側としても成長の目安が明確になっていることから、意欲を維持し続けやすいというメリットがあります。

 

 

―ITツールも積極的に活用していらっしゃいますね。

 

 教えたことを1回で覚えられるわけではないので、若手たちは時間を見つけて練習をしていかねばなりません。その際、練習用の生地や材料などは会社で提供していますが、練習の時間まで先輩がつきっきりでコーチをするのは、少数精鋭の当社では難しいと言わざるえません。

 

 そうした問題を解消するために、ITを活用。卓越した技術を持つ先輩の作業をビデオに収め、タブレットPCでいつでも閲覧できるようにしました。ゼロから映像だけで学ぶのは厳しいでしょうが、いわゆる“繰り返し学習”の段階ならば、ビデオで技術を再現すれば効率よく学ぶことができます。

 

 ちなみに当社ではこうしたタブレットPCはもちろん、製造工程にCADや大型インクジェットプリンターといった機器もいち早く採用しました。もっとも機械化やIT化が進んだからといって、仕事のありようが変わるわけではありません。機械はハサミと同じ道具の1つ。道具を使いこなす職人たちの頭の中は今も昔も変わらないアナログですし、教育でもその部分をしっかりと伝えていくのが大事だと思っています。

 

 

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●株式会社辻洋装店
所在地/東京都中野区上高田 2-10-14
設立/1947年
資本金/1000万円
従業員数/51人
事業内容/衣料用繊維製品の縫製並びに加工(縫製工場)
ホームページ/ http://tsujiyosoten.co.jp/

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