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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
ビジネスマンが有能な人材であり続けるには、成長し続けていかなければならない。ところが老化によって成長速度は遅くなり、やがて限界に。もし限界を感じたらどうだろうか?
過度なプレッシャー
40歳の信行は、大手IT企業で働いている。IT業界を渡り歩き、現在は最先端分野の開発責任者だ。彼はITに関する知識と経験を買われて、今の会社に中途採用された。当初は社内でも尊敬され、期待されていた。しかし、納期までに開発の見込みがたたないケースが出ると、会社の上層部からの激しいプレッシャーにさらされた。
信行はプレッシャーを怒りに変えて、部下に向けて発散するようになった。すると、パワハラとして上司から叱責された。信行は行き場のないストレスを発散するために、キャバクラに通った。キャバクラで高まった性欲は、性風俗店で発散した。
やがて、ギャンブルにも手を染めるようになった。競馬や競輪、不法なギャンブルにも手を出した。さらにエスカレートし、借金をしてまでギャンブルをするようになってしまった。
DVで離婚
ギャンブルで負けが続くようになった信行は、妻にストレスをぶつけるようになった。暴言を吐き、物を投げつけ、暴力を振るった。
ある夜、妻が子供と一緒に気持ちよさそうに寝ていると、信行はその寝顔に激しく嫉妬して、彼女を殴った。翌朝、妻は子供を連れて実家に帰ってしまった。彼女は夫の借金や暴力に耐えられなくなったのだ。やがて、妻からの離婚届が信行の元に届いた。
信行は仕事をする気力がなくなり、出社できない状態になった。病院に行くと、うつ病と診断された。しばらく会社を休むことにした。休職期間は3カ月から6カ月に延び、やがて復帰を諦めるようになった。信行は、自分の能力に限界を感じていた。そして、ある日、信行は浴びるように酒を飲んで自殺してしまった。
自殺の連鎖
信行の父親は、中小企業の経営者だった。不況の影響を受け、資金繰りに失敗し、多額の負債を抱えて倒産した。その後、父親は精神的に病んで自殺した。会社の倉庫で、自殺した父親を発見したのは信行だった。
長い間、信行は父親の自殺のトラウマに悩まされていた。トラウマの影響で、信行にはストレスにもろい部分があった。誰にも弱い部分を見せられないことが、信行の弱みだった。そのため、自分が限界を感じたとき、父親と同じ自殺を選択したと言える。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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