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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
実家から離れて暮らしている人々は、年末年始やお盆の里帰りを楽しみにしている。里帰りは、離ればなれになっていた家族が、お互いの無事を祝う大切なときだ。実家は、心のよりどころなのだろう。しかし、その里帰りが憂鬱になってしまう人もいる。
苦しい里帰り
37歳の美保は結婚している。夫は39歳で、子供はいない。年末年始などのまとまった休みに夫の実家に里帰りすると、姑(しゅうとめ)に「まだ子供はできないの?」と言われ、苦しかった。姑は嫌味で言っているわけではなかったが、なかなか子供ができない彼女にとって、その言葉は酷だった。
「隣の嫁にはすぐに子供ができた」「早く初孫を見せてほしい」などという義父母の言葉は彼女の心を傷つけ、苦しめた。彼らの言葉を「女性として失格だ」「ダメな嫁だ」「体に欠陥があるのではないか」などという意味に受け取り、その場から逃げたい心境だった。美保にとって里帰りは苦痛だった。
実家うつ病?
実家で言われた無神経な言葉は、美保の心の中で繰り返され、怒りや憎しみの感情を引き起こした。やがて、頭痛や不眠で体調を崩すようになり、うつ状態になった。
それから、しばらくして美保は妊娠した。夫の実家に報告すると義父母は大喜びしたが、最終的には悲しい結末を迎えることになった。死産してしまったのだ。年末に夫の実家に行くことは恒例になっていたが、その年は断った。義父母の言葉に傷つきたくなかったからだ。そして1年後、夫の頼みもあって、実家に行くことになった。
実家に着くと、沈痛な雰囲気だった。義母は「大変だったね」と言って大声で泣いた。義父は、「仕方がないさ。また、頑張ればいいんだから。大丈夫、すぐにできるさ」などと言った。
しかし、彼らのそうした言葉や態度は、美保の心に突き刺さった。美保は本格的なうつ病になってしまった。
流産・死産の心の痛み
義母は苦労なく妊娠し、出産したので、美保の苦しみを理解できなかった。流産や死産で子供を失った母親は、すさまじい悲しみと苦しみを味わう。健康に産んであげられなかった自分を責め、子供の未来を奪った自分を責めるのだ。慰めの言葉は、彼女たちを傷つけてしまう。「また、頑張ろう」「いつまでも悲しんでいても仕方ないじゃないか」「きっと、次は大丈夫さ」などという無神経な言葉は、彼女たちを苦しめることにしかならない。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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