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ココロの座標/河田俊男

第14回「移転ストレス症候群」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 春は入学や就職、転勤などで転居の多いシーズンである。転居は慣れている人でも、疲れるものだ。初めて転居する人の中には、ホームシックになったり、ストレスでうつ病になる人もいる。

 

 

 

都会から田舎へ

 

 35歳の友紀子は夫の転勤を機に、都内の狭いマンションから田舎にある庭の広い住宅に引っ越した。新居で好きな犬を飼って、楽しい生活を夢見ていたのだ。

 

 

 ところが、転居して3週間ごろから、夕方になると寂しい気分に襲われるようになった。特にきれいな夕日を見たときには、自然に涙が出てきた。どうしてそんな状態になるのか、理解できないうちに夜も眠れなくなってきた。不眠が続くと、昼は情緒不安定になり、イライラしたり、不安感に襲われるようになった。

 

 そこでバイクを買って、東京に出掛けてみた。以前住んでいた街や銀座、新宿、渋谷などの繁華街を訪れると、心が落ち着いた。しかし、帰り道は、家に近づくにつれて気分が暗くなっていった。

 また、友紀子は毎日のように夫に不安を訴えていた。夫まで情緒不安定や不眠に陥り、仕事にも集中できず、やがて欠勤するようになった。

 

 

 

沖縄から上京

 

 沖縄出身の博之は専門学校を卒業後、上京して自動車の整備工場に勤めることになった。子供のころから東京での生活が夢で、有頂天になった。

 

 しかし、東京での暮らしは想像とは違った。生まれた土地の言葉で話せないことや、沖縄の家族や親友に会えないことなどからホームシックになった。また、仕事では高度な専門知識とスピードが求められ、博之は焦った。次第に集中力や注意力がなくなり、ミスをするようになった。自動車の修理は安全に関わるので、ミスは許されないというプレッシャーもあり、食欲がなくなり、不眠も続くようになった。

 そしてある日、限界が訪れた。突然工場に行けなくなってしまったのだ。

 

 

 

移転ストレス症候群

 

 友紀子や博之も、愛着ある家族や友人、故郷の風景などを一時的に喪失したことで、対象喪失といわれる状態になった。慣れ親しんだものを一時的に失ったことで、悲哀反応が出てしまったのだ。そして新しい環境への適応ができなくなり、自分をコントロールする能力を失ってしまった。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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