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ココロの座標/河田俊男

第19回 「指示待ち族」に苦しむ上司

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 仕事のできない部下を持つことほど、面倒なことはない。場合によっては、部下が原因でうつ病にならないとも限らない。しかし、そんな部下もいつかは育つ。それを期待して育てるのが、楽しいはずなのだが…。

 

 

 

指示待ちの新人

 

 32歳の仁美は、総菜店の店長だ。彼女は6カ月前に採用された新人に手を焼いていた。毎日のように対応に苦慮し、仕事が終わっても頭を離れないので、眠れなくなっていた。

 

 新人の春樹は25歳で、前職は土地開発の営業だったが、半年で退職したという。明るく爽やかな青年だが、彼は「指示待ち族」の典型だった。指示されたことだけをやり、他人の仕事は手伝わず、自分の考えに固執するところがあった。

 

 また、仁美が何回説明しても仕事の優先順位を理解できず、他のスタッフから「仕事の覚えが悪い」「根本的にやる気がない」などの苦情が絶えなかった。やがて、彼のことが原因でストレスを感じ、休んでしまうスタッフも出てきた。それは、忙しくなっても春樹がまったく他の人を助けようとしないことも関係していた。

 

 

 

 

 

対策を練る

 

 仁美は教育方法に原因があったのではないかと思い、春樹用にマニュアルを作り、丁寧に説明した。だが、春樹はその内容をまったく覚えなかった。他にも対策を考えたが、ことごとくうまくいかなかった。やがて、仁美は連日の睡眠不足で頭痛とめまいが止まらず、心療内科に通院することにした。

 

 職場の人たちのストレスもピークに達していた。今まではチームとしてうまく機能できていたが、春樹の登場で一変した。仕事が終わると近くのレストランや居酒屋でお互いの愚痴を吐露しあい、対策も話し合ってきたが、それも限界になってきた。

 

 

 

春樹の問題

 

 春樹には社会性の未発達、思考のゆがみ、依存性、受動的攻撃的、抑圧された攻撃性などがあった。

 

 周囲の人間と協調して仕事をすることは、人間の社会活動の基本で、幼稚園でも遊戯などを通じて教育している。ところが、彼はまったく身についていなかった。また、その場の状況を判断し、適切に自分がどう行動し、チームとして機能するにはどうしたらよいかと考える能力も欠けていた。

 

 自分の考えに固執する傾向もあった。自分の考えは正しく、完璧だと思い込んでいた。だから他人の意見は受け入れられなかった。他人の意見に対して「分かりました」と言うが、実際は口だけだ。受動的攻撃的な思考のスタイルなのだ。プライドが高いので、ミスをしても謝らず、「次はやらないようにします」などと言った。

 

 ストレスにもろく、傷つきやすいので、自分にプレッシャーをかけることが嫌なのだ。加えて、依存性も強い。自分の知らないことや、できないことをやらされることに強い不安があるので、周囲の他人に依存し、利用するのだ。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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