「人材の活用」「従業員の教育」「人事制度」等について、事例満載の記事や専門知識が深まるコラム等を展開。自社の活性化や雇用管理のヒントに!

「経営者やパート従業員の意識」等について、さまざまなデータを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

「平均時給 の検索」「時給の平均や動向」等について、データを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

アイデム人と仕事研究所では、「ビジネスマナーのブラッシュアップ」「新入社員の戦力化」「職種別・階層別の知識・スキルアップ」等につながるセミナーを開催しています。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

ココロの座標/河田俊男

第47回「隣の過敏な人」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2020年2月27日)

< 1 2 >

 満員電車に乗っているとき、私たちは周囲にどんな人がいるか、あまり意識をしていないものだ。もし電車の中でアマゾンの密林を歩くように、感覚を研ぎ澄ませていたらどうだろうか。かなり苦痛かもしれない。

 

 

そしゃく音がうるさい

 

 昼休みの時間、里美は自分のデスクで食事をしていた。すると突然、隣席の後輩に「うるさい!」と言われた。食べるときの音がうるさくて、頭痛がするという。自分では食事をするときのマナーには、気をつけているほうだと思っていたので戸惑った。まったく音を立てずに食べることは難しいので、そのときは食事をやめた。

 

 後輩は以前からうつ病と診断され、精神科に通院していた。会社から注意して対応するように指示されていたが、隣にいる里美はつらかった。以前、パソコンの操作音がうるさいと言われ、できるかぎり音をさせないように気をつけていた。何が気に障るのか分からないので、仕事がやりにくかった。食事は別の部屋でとるようにしたが、仕事はそういうわけにはいかない。上司に席替えをしてもらえるように掛け合ったが、配慮してくれなかった。

 

 

 

 

相談がある

 

 ある日、里美は後輩から相談を受けたが、「何から話せばいいのか分からなくて…」と言われた。どう対応すればいいのか迷っていると、後輩は話をやめてしまった。うつ病が原因でそんな態度になるのだろうと思った。

 後輩への接し方が分からず、里美は疲れていた。このままでは自分がうつ病になってしまうかもしれない。席替えがかなわないのであれば、辞めるしかないと思うようになった。

 

 

人付き合いを避ける

 

 後輩はさまざまなことに過敏に反応してしまう人だった。人の表情にも過敏に反応してしまうので、里美に相談したときに表情が曇ったのを感じ、話すのをやめたのだ。だが、自分が「過敏な人」とは認識していなかった。家族や職場の誰もがそう思っていなかった。だから、周囲の人たちは対応をしなかった。一般的には「過敏な人」の存在が知られていないので、仕方のないことだ。

 

 最初、彼女は聴覚過敏になり、誰にも言えずに我慢していた。次第に頭痛やめまいなどの身体症状が出て、うつ状態になっていった。その後、さらに感覚が過敏になり、症状を悪化させていった。人のちょっとした表情にも敏感になり、できる限り人付き合いを避けるようになった。だが、職場では避けられないので、精神的に疲弊しきってしまい、うつ状態は悪化した。

 

>>>次ページにつづく

 

※次ページ以降の閲覧には、会員登録(無料)が必要です
<会員サービスのご案内はコチラ

 

 


 

 

●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

< 1 2 >

この記事のキーワード

クリックすることで関連する記事・データを一覧で表示することができます。

一覧ページへ戻る

2ページ目以降をご覧になるには、会員ログインが必要です。
会員登録(無料)がお済みでない方はこちら

会員登録(無料)はこちら

その他のコラム記事を見る

人気記事ランキング

マネジャーの仕事/田中和彦

[第36回「部下からナメられないようになるためには?」]
人材育成や評価、意思決定など、マネジャーにはさまざまな役割が求められます。マネジャーに必要な視点や考え方、心の持ち方などについて考察します。

判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

[無期転換権発生前の雇止めの有効性〜N事件(東京高裁令和4.11.1判決、労判1281号5頁)〜]
近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点や予防のポイントなどを解説します。

時事トピックス

[年収の壁・支援強化パッケージ、計画届受理状況]
人事労務関連のニュースの中から、注目しておきたいものや社会の動向を捉えたものなどをピックアップしてご紹介します。
注目のコンテンツ

人と仕事研究所Facebook