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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2020年2月27日)
満員電車に乗っているとき、私たちは周囲にどんな人がいるか、あまり意識をしていないものだ。もし電車の中でアマゾンの密林を歩くように、感覚を研ぎ澄ませていたらどうだろうか。かなり苦痛かもしれない。
そしゃく音がうるさい
昼休みの時間、里美は自分のデスクで食事をしていた。すると突然、隣席の後輩に「うるさい!」と言われた。食べるときの音がうるさくて、頭痛がするという。自分では食事をするときのマナーには、気をつけているほうだと思っていたので戸惑った。まったく音を立てずに食べることは難しいので、そのときは食事をやめた。
後輩は以前からうつ病と診断され、精神科に通院していた。会社から注意して対応するように指示されていたが、隣にいる里美はつらかった。以前、パソコンの操作音がうるさいと言われ、できるかぎり音をさせないように気をつけていた。何が気に障るのか分からないので、仕事がやりにくかった。食事は別の部屋でとるようにしたが、仕事はそういうわけにはいかない。上司に席替えをしてもらえるように掛け合ったが、配慮してくれなかった。
相談がある
ある日、里美は後輩から相談を受けたが、「何から話せばいいのか分からなくて…」と言われた。どう対応すればいいのか迷っていると、後輩は話をやめてしまった。うつ病が原因でそんな態度になるのだろうと思った。
後輩への接し方が分からず、里美は疲れていた。このままでは自分がうつ病になってしまうかもしれない。席替えがかなわないのであれば、辞めるしかないと思うようになった。
人付き合いを避ける
後輩はさまざまなことに過敏に反応してしまう人だった。人の表情にも過敏に反応してしまうので、里美に相談したときに表情が曇ったのを感じ、話すのをやめたのだ。だが、自分が「過敏な人」とは認識していなかった。家族や職場の誰もがそう思っていなかった。だから、周囲の人たちは対応をしなかった。一般的には「過敏な人」の存在が知られていないので、仕方のないことだ。
最初、彼女は聴覚過敏になり、誰にも言えずに我慢していた。次第に頭痛やめまいなどの身体症状が出て、うつ状態になっていった。その後、さらに感覚が過敏になり、症状を悪化させていった。人のちょっとした表情にも敏感になり、できる限り人付き合いを避けるようになった。だが、職場では避けられないので、精神的に疲弊しきってしまい、うつ状態は悪化した。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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