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マネジメント悩み相談室/田中和彦

第49回「人は、評価されることにしか取り組まない」

マネジメントに関する悩みについての解決策を示したり、対処法などを解説します。(2019年4月16日)

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■相談

 前々回の相談室で「部下への目標設定のやり方が分からない」という相談がありましたが、とても参考になったので、さらに突っ込んだ質問をさせていただければと思います。私の部署も営業部門なのですが、目標管理は個人目標だけなので、どうしても部下の営業マンが個人商店的な動きになりがちで、後輩の面倒などもみないし、メンバー間の協力体制もありません。

 

 また、目標達成トレンドを超えてしまっている部下は気が緩みがちで、トレンドを下回っている部下は諦めモードになりがちです。上記のようなケースではどういう工夫があるでしょうか?

 

 

 

■回答==========

 

 質問者の方の会社における評価制度の全体像が分からないので、明確に言い切れない部分もあるのですが、もし営業の数字だけが評価対象というのなら、メンバー間の協力体制や後輩の指導育成に意識が向かないということもよく理解できます。個人の売上額だけで評価されるのなら、誰でも自分の売上数字だけを追いかけます。

 

 例えば、私の知っている会社で、以前こんなことがありました。商品群は大きく2つのタイプで構成されていて、売れればすぐに出荷できる既製品のA群と、顧客のニーズに合わせてカスタマイズしたうえで出荷するB群です(スーツに例えるなら、Aが“つるし”と呼ばれる既製服で、Bがオーダーメイドという感じでしょうか)。

 

 当然のことですが、A群は、単価は安いのですが手間がかからないので利益率は高い。一方のB群は、値段が高いのにコストもかかるので利益率は低い。経営的には、A群をたくさん売ってもらったほうが効率がはるかにいいのです。しかし、営業マンは売上額の稼げるB群をついつい売ろうとします。社長がA群を売るようにと言っても、営業マンたちは、「お客さんからどうしてもBのほうをお願いされるので…」などと、なんやかやと理由を付けて言い訳をするのです。

 

 それで業を煮やした社長が、「B群はいくら売っても構わないが、売上目標にカウントするのはA群だけにする!」と強引にルールを変更しました。
結果的にどうなったか。翌日からB群を売る営業マンは1人もいなくなったのです。たったの1人も…です。
 つまり、人間というのは、評価される方向にしか動かないものです。営業数字でしか評価されないのに、部署全体の勉強会の運営担当をお願いしたり、後輩の指導育成を頼んだりしたとしても、「そんな時間があれば、1円でも多く売りたい」と、営業活動に精を出すのが当たり前なのです。

 

 なので、もしあなたがメンバー間の協力体制を本当に必要とするのなら、営業数字以外の評価軸を設定するように会社に働きかけることです。大きなルール変更になるかもしれませんが、殺伐とした雰囲気の社内を変えるには、これくらいの大英断が必要になります。

 

 また、目標管理は個人目標だけと言いながら、仮に「業績」以外に「組織への貢献」や「取り組み姿勢」のような項目が評価対象としてあるのなら、その部分で「部署内の協力体制」や「後輩の指導育成」、「部署全体の目標達成への関与」などを明確に示して、数字以外の評価をしてあげることです。
 あなたが部下にあなたの望ましい行動を促すのなら、その行動をきちんと評価することがすべてです。曖昧な動機付けでは人は思うようには動きません。

 

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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。
連絡先:info@planet-5.com

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