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人材育成のツボ

【事例】非効率なハンドライティングが、教育・研修効果を高める

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2022年1月20日)

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 教育・研修の効果を高めるには、研修の前後が肝心であることは、良く知られています。では、具体的に何をどのように行えば効果が上がるのでしょうか?

 

 X社の事例をご紹介しましょう。新入社員から5年目までの社員研修を各階層で年1回、実施しています。その研修では効果を高める仕掛けの一つとして、研修実施日の1週間前迄に「事前課題」、そして、研修実施後の1週間以内に「事後課題」の提出を義務付けています。おそらく、この「事前課題」「事後課題」については、実施している会社も少なくないでしょう。

 

 ただ、今どき珍しいかもしれませんが、対象者全員にハンドライティング(=手書き)で作成してもらっています。パソコンで入力するのではなく、敢えて、全て手書きなのです。「非効率ではないか?」とお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、この一手間が研修効果を高める秘訣になっています。

 

 

 

 

ハンドライティングは効果的の研究結果

 

 「事前課題」「事後課題」をハンドライティングするポイントは、自分自身を振り返る時間を持つということ。研修当日は、グループワークを通して他者と関わり、気づき、自分自身の課題を整理していきます。一方で「事前課題」「事後課題」は、たった一人で深く静かに自分を見つめ直すこと。それは、エネルギーを充電させる重要な時間になります。自分を深く掘り下げることで、自分の目指すべき目標、やるべき行動が定まってくるのです。頭の中でモヤモヤしていることを、文字化することで、エネルギーに変換して、前へ進む力を生み出すのです。

 

 ハンドライティングの効果については、興味深い研究結果があります。米プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究によると、ハンドライティングとノートPCでメモをとるのでは、脳の活性化、知識を習得するには、ハンドライティングの方が有効という結果が出ています。

 

 

丁寧な人と雑な人では、研修に臨む姿勢が違う

 

 そして、もう一つ、発売から20年以上経ったいまも多くの方に愛用されている「ほぼ日手帳」をつくったコピーライターでもあり、実業家の糸井重里さんの言葉を紹介します。

「今さらながらハンドライティングってすごいことだなと思います。書くことは運動のひとつであり、頭、伝える神経、体という人間の総合的な力をすべて発揮しなければならないんですよ。たとえ、それが汚い字であってもそれを含めてその人なんですね。人の書いたものには何かが滲み出るんです。そういうものをずっと大切にしていきたいんですね」

 

 ハンドライティングは、脳を活性化すること、そして、その肉筆に、思考、感情、姿勢等、書き手の状態が全て表現されるのです。X社の「事前課題」「事後課題」では、所定の用紙に、丁寧な濃い字で8割以上書く人と、雑な薄い字で2割程度しか書いていない人では、研修に臨む姿勢、研修後に職場で実行しようという姿勢が、明らかに違います。そして、1年後の結果もご想像の通りです。一見、非効率とも思えるハンドライティングによる課題作成ですが、実は研修効果を高めていると自負しています。

 

 

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●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、キャリア開発支援チームにて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

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