「人材の活用」「従業員の教育」「人事制度」等について、事例満載の記事や専門知識が深まるコラム等を展開。自社の活性化や雇用管理のヒントに!

「経営者やパート従業員の意識」等について、さまざまなデータを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

「平均時給 の検索」「時給の平均や動向」等について、データを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

アイデム人と仕事研究所では、「ビジネスマナーのブラッシュアップ」「新入社員の戦力化」「職種別・階層別の知識・スキルアップ」等につながるセミナーを開催しています。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

労働ニュースに思うこと

年金「75歳まで繰り下げ可能」を起点に、「エイジフリー」な働き方へ

個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2022年2月10日)

< 1 2 >

 本年4月から公的年金の受給開始を75歳に繰り下げることが可能になります。公的年金は原則65歳から受け取ることができますが、希望すれば早く受け取ることができます。65歳より遅く受け取れば「繰り下げ」、早くもらえば「繰り上げ」です。繰り下げると年金は、1カ月ごとに0.7%増えます。仮に75歳まで、10年繰り下げた場合、年金は84%増えます。

 

 ちなみに、繰り上げると、1カ月ごとに年金は減ります。2022年4月1日以降に60歳になる方は、減額率は0.5%から0.4%に縮小されますが、減額率が縮小されたからと繰り上げて受給すると、想定よりも長生きした場合、生活を不安定にするリスクもあります。あなたは、繰り上げ派ですか、それとも、繰り下げ派でしょうか。いずれにしても、年金「75歳まで繰り下げ可能」というテーマが、「働き方」を再考するための良いきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

60歳以降の高年齢者雇用は、非正規が主流

 

 人生100年時代、「70歳まで働ける社会」に向かって対応が進む中、私たちは、実際どのように働き続けることができるのでしょうか。労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」に依ると、60代前半(60歳以上64歳以下)の継続雇用者の雇用形態は、「嘱託・契約社員」が57.9%で最多。「正社員」は41.6%、「パート・アルバイト」が25.1%。「関連会社等で継続雇用された従業員(出向・転籍)」が4.7%となっています。

 

 最も割合が高い「嘱託・契約社員」の多くは、1年程度の雇用期間を決めて労働契約を締結する非正規雇用です。60歳以降に雇用されることを考えた場合、「正規か非正規」どちらを選択するのかを見据えて、キャリアプランを練り、形成していくことが必要でしょう。「キャリアは一日にして成らず」です。自分が望むワークとライフを持続するためには、適宜、自分自身のキャリアに手を入れていきたいところです。

 

 


■60代前半の継続雇用者の雇用形態
(出所:高年齢者の雇用に関する調査/労働政策研究・研修機構 2020年3月)

 

 

65歳以降の高年齢者で希望者全員が働ける企業は2割

 

 65歳以降の状況はどうでしょうか。「希望者全員が働くことができる」企業は21.8%。「希望者のうち基準に該当した者のみ働くことができる」企業が58.0%となっています。約6割の企業では、本人が働きたいと希望したとしても、基準に達していない場合は、働くことができないのです。

 

 では、その基準とは何でしょうか。8割以上の企業は「健康上支障がないこと」、「働く意思・意欲があること」を挙げています。また、6割前後の企業が「会社が提示する労働条件に合意できること」、「会社が提示する職務内容に合意できること」、「出勤率、勤務態度」を、4割強の企業が「現職を継続できること」、「熟練や経験による技能・技術をもっていること」を基準にしています。

 

 


■65歳以降も働く際の基準
(出所:高年齢者の雇用に関する調査/労働政策研究・研修機構 2020年3月)

 

 

 もし65歳以降、希望する職場で働くためには、フィジカル、メンタル、モチベーションを維持することが、雇用される条件です。永年培ってきたテクニカルスキル以上に、良い状態で働けるよう努める必要があります。日本では40代に入るとがんの発症リスクが高まってきます。2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています(全国健康保険協会)。ビジネスパーソンは、アスリートの如く、自分を律して、生活習慣を見直し、最良のパフォーマンスを発揮できるようコンディショニングに気を配る必要がありそうです。これからは、コンディショニングもビジネススキルの一つに挙げても良いかもしれません。

 

 

>>>次ページにつづく

※次ページ以降の閲覧には、会員登録(無料)が必要です
<会員サービスのご案内はコチラ>
につづく

 


●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、キャリア開発支援チームにて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

< 1 2 >

この記事のキーワード

クリックすることで関連する記事・データを一覧で表示することができます。

一覧ページへ戻る

2ページ目以降をご覧になるには、会員ログインが必要です。
会員登録(無料)がお済みでない方はこちら

会員登録(無料)はこちら

その他のコラム記事を見る

人気記事ランキング

ヒトがあつまる職場/田中和彦

[第1回「自分のアイデアが形になること」]
企業は、ずっと同じ人たちで運営していくことはできません。人が辞めても、また入ってくる職場について考察します。

判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

[カスハラにあった従業員から安全配慮義務違反で訴えられたら〜M事件(東京地裁H30.11.2判決)〜]
近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点や予防のポイントなどを解説します。

時事トピックス

[正社員等、パートタイム労働者ともに不足超過が継続]
人事労務関連のニュースの中から、注目しておきたいものや社会の動向を捉えたものなどをピックアップしてご紹介します。
注目のコンテンツ

人と仕事研究所Facebook