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ココロの座標/河田俊男

第75回「簡単にだまされた人たち」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2022年6月21日)

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 自分の周囲に、投資詐欺にあった人はいないだろうか。世の中が不安定になってくると、先行きの不透明な状況に対する不安感を悪用して、だまそうとする人たちが出てくる。

 

 

トリプルショック

 

 38歳の裕美は保育士をしているが、ヘルニアからくる腰痛で仕事がつらく、子供たちの世話をすることに疲れてきた。これから先も保育士として働くには不安があった。そんな折、5年間同棲していた男性と別れた。理由は男性に新しい彼女ができたことで、将来は結婚を考えていたこともあり、とてもショックだった。

 

 さらに追い打ちをかけるような出来事があった。男性のことを相談していた姉が最近、突然死してしまったのだ。ショックな出来事が重なった裕美は深い孤独を感じ、将来に対する不安に苦しめられていた。そんなとき、職場の先輩に聞いた話を思い出した。不動産投資をして、家賃収入で老後を過ごすというものだ。インターネットで検索すると、高利回りの不動産投資をすすめるサイトがたくさんヒットした。マンションやアパートのオーナーになることを想像して、電卓で月々の家賃収入の計算ばかりするようになった。

 

 

 

 

 その後、不動産会社で説明を聞き、思い切って新築の小さなアパートを買うことにした。自分も住むことにしたが、やがて欠点ばかりが目につくようになった。駅からは少し離れていて生活に不便な地域だが、新築なので家賃は相場より高い。なかなか借りる人はいなかった。家賃収入でローンの返済をするつもりでいたが、毎月持ち出しになってしまった。こんな生活がローン返済期限の75歳まで続くのかと思うと、不安になってきた。やがて、男性との別れや姉の死、ローンのプレッシャーなどからうつ病になった。

 

 

コロナ感染の不安

 

 32歳の将人は看護師をしている。コロナに感染した同僚は今も後遺症に苦しんでいて、自分が感染したらと思うと不安で、退職も考えていた。そんなある日、職場の先輩に誘われて久しぶりに飲みに行くことになった
そのとき、先輩からある投資グループの話を聞いた。先輩は「運用実績によって違うんだけど、だいたい月10%くらいの利率で仮想通貨に投資している。本当に信用できる人にしか話していない」と言った。

 

 話を聞いた将人は「病院をやめても生活できる」と思った。早速、今の預金を全額投資したが、金利は2回だけ振り込まれ、その後は続かなかった。投資グループに問い合わせると「今は運用実績が下がっていますが、また上がるのでお待ちください」と言われた。先輩に相談すると、「そんなこともあるんじゃない。心配しすぎだよ」と言う。

 

 しかし、その後も金利が振り込まれることはなく、やがて連絡もつかなくなった。だまされたのだ。将人はうまい話に乗ってしまい、よく調べなかった自分を責めた。せっかく貯めたお金を失ったショックで仕事が手につかず、ミスばかりするようになった。

 

 

不安が考える力を低下させる

 

 2人に共通していることは、将来への強い不安だ。その不安感が冷静になったり、合理的に考える力を低下させている。

 

 裕美は、ヘルニアからの腰痛で仕事を継続することの不安に加えて、結婚を考えていた男性との別れや姉の死などが重なり、喪失感や深い孤独感があった。そんな彼女に明るい未来を見せてくれたのが、不動産投資だった。投資で将来への不安が払拭できると信じ込んでしまい、冷静な判断ができなくなった。

 将人も、コロナ感染の恐怖と「一生働かないで生きていきたい」という願望が重なり、先輩の甘い話に乗ってしまった。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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