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ココロの座標/河田俊男

第6回「欲望をコントロールする」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 デパートやショップなどで、ついうっかり、それほど必要でもないものを買ってしまうことはないだろうか。後で考えると後悔するのだが、つい手が伸びてしまったという人は少なくないだろう。どんなに理性的な人でも、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがある。

 

 

 

同窓会で再会

 

 36歳の登喜雄は真面目で、誠実な人柄で誰からも信頼されていた。彼は久しぶりに、中学校の同窓会に参加することにした。懐かしい友人との再会にお酒も進んでいい気分になり、2次会にも参加した。そこで彼に好意を持っていた悠子と再会し、楽しく話し込んだ。そして2人で3次会に行き、終電を逃してしまったのでホテルに入った。朝起きると、登喜雄の隣には悠子が寝ていた。昨日は彼女の誘いにのって、かなりいいムードになったのだ。

 

 その日は、彼女とまた会う約束をして別れた。それからしばらくして、彼女から「会いたい」という連絡があったが、登喜雄には会いたくない理由があった。実は彼には婚約者がいて、結婚式の日取りも決まっていたのだ。しかし、どうしてもと言われたので再び会うことにした。

 

 

 

 

妊娠発覚?

 

 再会すると、悠子は「妊娠したみたい。産みたいけど、登喜雄君はどう思う?」と言った。登喜雄は「男として責任をとる」と言ったが、心の中では葛藤していた。だが、登喜雄はそんな自分を恥じ、「結婚しよう」と言った。

 

 彼は早速、婚約者に結婚できないことを話した。しかし、本当のことは言えず、「愛情がなくなってしまった」とうそをついた。すると婚約者は取り乱して泣き崩れた。

 

 翌日、彼女の父親から電話があり、「婚約不履行で訴える」と言われた。一瞬、登喜雄の目の前が真っ暗になった。重い闇の中に引きずり込まれた感覚で、めまいと吐き気に襲われた。それからは彼の精神状態はズタズタになった。

 

 登喜雄は友達を誘い、とにかく飲んだ。ストレスを発散したいからだけではない。悠子のことが詳しく知りたかったからだ。彼らの話では、悠子はいつも「結婚して子供が欲しい」「仕事は辞めたいし、1人暮らしにも疲れた」と言っていたらしい。

 

 

 

結婚するために

 

 悠子は友人の中でも自分だけが独身なので、なんとかして結婚したかったようだ。また、1人の生活に疲れていたという。結婚するためだったら、どんなうそでもつく覚悟だった。

 

 実は、妊娠はうそだったのだ。登喜雄は誠実な人間だったので怒ったり、とぼけたりしないで、「結婚しよう」と言った。だが、悠子は彼に婚約者がいることを知らなかった。
そして、彼が婚約を破棄し、訴訟問題になっていることを知った。さすがに彼女は動揺し、良心がとがめた。それで「妊娠していると思ったけど、よく調べたらしていなかった」とうそをつくことにした。

 

 

 

重なるストレス

 

 うそを聞いた登喜雄は少し安心したが、一時的にも悠子に振り回され、婚約者を失ったことに再びがくぜんとした。彼には、数多くのストレスがのしかかった。婚約不履行の裁判や結婚式のキャンセル、招待客へのおわび、新居の解約など、こうした対応に精神的に疲れ果てた。

 

 登喜雄は会社に出社できなくなった。上司や同僚ばかりでなく、社長も結婚式に出席してもらうように手配してあったからだ。職場の人間と顔を合わせることも強いストレスになった。彼はすっかりうつ状態になっていた。

 

 

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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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