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働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。
メーカーの品質管理部門に勤務する相澤真知子さん(仮名・31歳)は、上司が主催する休日の女子会に苦い思い出がある。
「家族や友人は“休みなんだし、そんなの行かなければいいのに”と言いますが、行かないと社内で話題についていけなくなります。女子だけの部署なので、浮いてしまうのが怖いんです」
相澤さんは理学部の大学を卒業後、今の会社に新卒で入社した。営業部を経て、品質管理部に配属になったが、その翌年、会社が国内資本の大手A社と合併。相澤さんの部署には「バリキャリ系」の女性上司が配属された。
「合併といっても、うちの会社のほうが小さかったので、やり方も何もかも変わるのだろうと覚悟していたのですが、業務内容に大きな変化はありませんでした。意表をつかれたのは、女子会です。上司はコミュニケーションの一環だとかいって、月に1回、休日の土曜日の夜にホームパーティーを開き始めたのです」
参加は強制ではないといいながら、品質管理部門の総勢10数人のうち8割は参加している。会費は3,000円で1人1品持参というルールまでつけられた。
「私は料理が得意じゃないので、毎月、チョコレートなどのお菓子を持っていきます。ほかの子は煮物とか、手作りクッキーとか、女子力の高い一品を持っていきます。着ていく服や身につける小物も迷います。20代後半から30代後半の女子の集まりなので、話題はおのずと恋バナと社内の人間関係のうわさ話ばかりです…」
相澤さんは律儀に毎月参加している。来なかった人に対する風当たりは強く、自分が休んだときのことを想像すると、何を言われているのが分からず怖いのだ。
「参加しない子に対する悪口はひどいものばかりです。“あのブス、仕事できないくせに”とか、“あの子の服の趣味はありえないよね”と言いたい放題。そのうえ、“あの子は営業部の誰それと社内不倫してるみたい。2人で腕を組んでいるところを見かけた人がいるのよ”と、うそか本当かも分からないうわさを立てられたりもします。ホームパーティーがあることによって、参加者との結束は固くなり、不参加者との溝は開いてしまうのです。私はそれで大切な同僚と疎遠になってしまいました」
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