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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
家族や職場の誰かが、突然「死にたい」と言い出したらどうだろうか。頭の中がパニックになるだろう。私たちは日頃からそんな心の準備はしていない。どうしたらいいのだろうか?
希望を持てない
24歳の博行は、アルバイトを掛け持ちして生計を立てている。彼は「仕事を終えて家に帰ったら、酒を飲んで寝るだけです。付き合っている彼女がいるので結婚も考えますが、お金がありません。このままではどうしようもないです」「毎月の給料は日々の食費と家賃、光熱費、それに携帯代の支払いで残りません。こんな生活がいつまでも続くのかと思うと、ふと、もう死にたいなって思うんです」などと語る。
博行はまだ若いが、生きることに疲れてしまったようだった。「両親を見ていても幸福そうじゃないし、未来に希望を持てない」と言う。そして「ちゃんとした仕事をしたいが、何をすればいいのか分からない。生きることがつらい」と話す。
やがて博行はうつ病と診断され、薬を処方されたが、まだ「死にたい」と思うことは変わっていない。
生きる意味がない
15歳の彩加は3歳のころに両親が離婚し、母1人で育てられた。ある日、彩加は母親に「生きる意味が分からない。死にたい」と言った。そのとき母親は「ママにもそんなことを思ったことがあったわ。どんなことでも相談してね」と返したが、本当は動揺して何と言っていいか、分からなかった。なぜ、そんなことを言い出したのか、想像もつかなかった。いつも彩加は楽しそうにしていたからだ。
実は彩加は「つくり笑顔」をし、楽しそうに演じていた。彼女は友人たちから、いじめを受けていた。ラインやSNSも使われ、24時間いじめられているような感覚になり、「死にたい」と思うようになった。また、自分は「頭が悪くてブスだ」と思い込み、将来を悲観していた。
母親は、娘の「死にたい」という訴えに不安になり、交際している男性に相談した。男性は親切心から彩加と会い、彼女に「どんなことでも相談していいよ」と言った。だが、彩加は見知らぬ男性の登場でさらに心が苦しくなり、孤立感を深めていった。
思春期の脳
問題の要は、2人が思春期の子供ということにある。思春期の脳は子供とも大人とも違い、特有の脳の働きがある。それが「死にたい」という発言につながっている。
最近は思春期の始まりが早くなり、期間も伸びているという報告もある。女子は12歳から始まり、男子は25歳まで思春期が続くというものだ。つまり職場の若手社員の中には、思春期の者がいる可能性がある。
思春期の脳の特徴はストレスに過敏に反応し、不安や恐怖に苦しみやすく、怒りを持ちやすい。また、引きこもりや自傷、攻撃行動や薬物依存などにもなりやすい。だから思春期は混乱しやすく、うつ病にもなりやすいのだ。
子供時代は親子関係に影響されるが、思春期は友人関係の影響を受けやすい。だから、友人からいじめられると、強いストレスを受ける。そして将来に絶望して孤立し、引きこもりやすくもなるのだ。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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