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人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。
病院は、さまざまな疾患を抱えてやって来る患者に、いつでも適切な医療を提供しなければならない。そこで働く人たちには、どんな苦悩があるのだろうか。患者側からはなかなか分からない。
新人の苦悩
看護師になって1年目の妃奈は、次々に先輩が辞め、1人で夜勤を任されることが多くなった。だが、仕事に関してまだ分からないことも多く、ナースコールが重なるとうまく対処できず、クレームになってしまうこともあった。それでも先輩の留美と一緒にいるよりも気が楽だった。
留美は仕事に厳しかった。患者さんの前できつい口調でダメ出しをされたり、ミスをすると無視された。患者さんの体位変換やおむつ交換など、2人でやる仕事を協力してもらえないこともあった。
留美は看護師長や医師などには丁寧な態度をとるが、後輩には冷たかった。妃奈は留美と一緒に仕事をすると、めまいや吐き気がしてくるようになった。あまりにもストレスを感じるので、今の病院を早く辞めようと決心していた。
先輩の言い分
留美は看護師歴10年のベテランで、患者からも頼りにされている存在だった。そのため、患者のクレームを聞くことも多かった。妃奈に対してのクレームもあり、「点滴の針をうまく刺せないから痛い」「体位変換が下手なので苦しい」「ナースコールをしてもすぐに来てくれない」といった内容だ。こうしたクレームを生む妃奈の存在が疎ましく、憎く思っていた。
また、留美は上司である医師に不満を抱えていた。上司はかわいい同僚の看護師ばかりを気にかけ、留美のちょっとしたミスは、激しく叱責するのだ。その理不尽な行為に腹を立てていた。
上司の医師は自己中心的な性格で、他人の痛みや苦しみを理解しようとしなかった。仕事の進め方でさまざまな工夫や努力をしても、結果が出なければ認めようとしない。生まれてから、一度も人に感謝をしたことがないのかもしれないと思えるほどだ。問題が生じると、自分を正当化し、人に責任転換をするという性格なのだ。
そんな上司の下で仕事をしていた留美は、上司の影響を受け、後輩の妃奈にも同じように接した。妃奈は、最終的な犠牲者だったと言えるかもしれない。
医師の職業病?
留美の上司がそんな性格なのは、職業病とも考えられる部分がある。医師は、責任の重い仕事だ。いつでも合理的で適切な判断ができなければならず、失敗があってはならない。例えば手術の場合、どんなに努力をしても、結果的に失敗したら取り返しがつかない。失敗は、損害賠償や訴訟の対象にもなる。
そのため、人間的な感情を抑制し、常に冷静でいなければならず、他者からは冷酷な人間と勘違いされる。そのため医師が、他のスタッフとバランス感覚を持って、チームで治療ができるようになるには、それなりの経験と時間が必要だと言える。
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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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