「何度言っても同じミスを繰り返す」
「『でも』『だって』と言い訳ばかりする」
「表面上は『分かりました』と言うが、何も変わっていない」
部下や後輩を指導する中で、こんな経験はありませんか?
実は、このような状態を生み出しているのは、能力の差ではありません。成長するための土台となる「ある力」が欠けているのです。それはコーチアビリティ(教わる力)です。コーチアビリティは、人が成長するために欠かせない能力です。本記事はコーチアビリティにフォーカスし、人の成長をサポートする職場づくりについて、4つのステップで解説していきます。
【ステップ� 曚覆次⊃佑魯侫�ードバックや指導を受け入れられないのか?
多くの人にとって、他人からの指摘を素直に受け入れることは、実はとても難しいことです。なぜでしょうか? アメリカの精神科医デイビッド・R・ホーキンズ氏の著書で、世界29言語に翻訳されている名著『パワーか、フォースか』(ナチュラルスピリット刊)には、他人からのフィードバックを受け入れられないとき、私たちは下記のような感情に邪魔をされているといっています。
・プライド:「自分は間違っていない」という思い
・恐れ:「否定されるのではないか」という不安
・恥:「できない自分を見られたくない」という気持ち
プライドや恐れ、恥の感情が防衛反応として働き、フィードバックを「攻撃」とみなしてしまうのです。言い換えると、コーチアビリティが低い状態です。フィードバックをしたとき、コーチアビリティが低い人には以下のような傾向が見られます。心あたりはありませんか?
■コーチアビリティの低い人の「あるある」傾向
<言葉の反応>
・「でも…」「だって…」と言い訳を始める
・その場では「分かりました」と言うが、結局行動が変わっていない
<態度・表情>
・嫌な顔をする
・「私は悪くない」という表情を浮かべる
・すぐに言い訳を考え始める
<行動パターン>
・何度も同じミスを繰り返す
・無難な選択ばかりして、挑戦しなくなる
・「完璧にできないならやりたくない」と行動を止めてしまう
【ステップ�◆曠魁璽船▲咼螢謄�を身に着けてもらうには?
どれだけ効果的なフィードバックや指導を行っても、相手に受け入れてもらえなければ無駄になってしまいます。受け入れてもらうには、コーチアビリティを身に着けてもらう必要があります。その際、最も重要なのは「メタ認知(客観的思考能力)」を育てることです。メタ認知とは、自分自身の感情や思考を客観的に見る力のことです。例えば、日々のコミュニケーションの中で、下記のような問いかけをしてみてください。
・「今、どんな感情を感じていますか?」
・「どうすればもっとよくなると思いますか?」
こうした質問を通じて、問われた人は自分で考える癖が身に着くようになります。また、フィードバックや指導を受けるときに、以下の準備を促すとコーチアビリティが高まります
・メモを取りながら聞いてもらう(聞く姿勢を整える)
・自発的に質問をするように促す(一方的に聞くだけでなく、自分から行動を起こせるようにする)
これらを引き出すために最も重要なのは、上司自身が「部下以上に部下の可能性を信じる」姿勢を見せることです。その安心感があって初めて、部下はフィードバックを素直に受け取れるようになります。
●文/小島準也(こじま じゅんや)
株式会社ホリズム代表取締役、米国NLP協会認定コーチ・トレーナー、人材採用コンサルタント
大手人材会社でIT営業として複数回の表彰を受ける傍ら、大手SIerの採用プロジェクトに参画し、3年間で30名以上のITエンジニア採用を成功に導くなど、人事コンサルタントとして実績を上げる。同社を退社後、独立。現在、複数社の採用・育成コンサルティングや個人向けコーチングを中心に活動している。大手人材企業やゴルフスクール、不動産会社、メガネメーカーなど研修実績多数。