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ビジネスで使える心理学/菊原智明

【第14回】プラスの方向へ向かわす「ダブルバインド」

商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。

ダブルバインドとは?

 ダブルバインドは、普通に訳せば「二重拘束」ということです。「あちらが立てば、こちらが立たず」というような矛盾する2つの命令があることをいいます。 
 「意識は1つのものにしか集中できない」という原理を元にした手法です。


●解説

 ダブルバインドにはマイナスとプラスの意味のものがあります。
 マイナスのダブルバインドは「やっても駄目、やらなくても駄目」というものです。

 ダメ営業マン時代のことです。契約が取れない状況が何カ月も続いていました。商談をしてもらえるお客さまさえ見つからず困っていたのです。そんなとき、上司からこのように言われました。

上司「お前は言われないと何もできないのか?さっさとお客さまのところへ行け!」

 その後、必死でお客さまのところを回り、何とか商談していただけるお客さまを探し当てます。
 しかし、契約は他社に決まります。私はそれを知った上司に「お前は何をしているんだ!」と怒鳴りつけられました。行動しなければ怒られ、しても怒られる。まさにダブルバインドです。頭がおかしくなりそうでした。

 逆にプラスのダブルバインドは「実行してもいいし、実行しなくてもいい」というものです。あるお客さまと商談していたときのことです。話も進み、いよいよクロージングです。

「何か質問はございますか?」
お客さま「特にありません」

 お客さまの反応の悪さを見れば契約になるかどうかは分かります。このまま「検討します」と持ち帰られ、放置されるのは嫌なものです。
 私は思い切ってこう質問しました。

「ご契約いただける確率はどのくらいでしょうか?」
お客さま「低いと思います」
「理由を教えてください」

 お客さまは事情を話し出しました。将来が不安なことと、親から家づくりを反対されているということでした。心底ガッカリし、頭に血が上った私は「年をとればローンの返済がもっときつくなりますよ」と言いそうになりました。
 しかし、私はこう言いました。

「家を建てずに賃貸を続けるのも正しい選択ですし、今、家を建てるのも正しい選択ですよ」

 お客さまは安心した表情に変わり、帰られました。このお客さまとはその後もいい関係が続き、半年後に契約となったのです。
 もしあのとき、感情に任せた態度を取っていたら、二度とお会いしていただけなかったでしょう。





菊原智明
●営業コンサルタント。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。「口ベタ」「あがり症」に悩み、7年間、苦しい営業マン時代を過ごす。その後、それまでの営業活動の間違いに気づいてやり方を大きく変えたところ、成績がみるみる上がり4年連続トップ営業マンに。自分と同じように営業に悩んでいる人たちをサポートしたいとの思いから、2006年に独立。著者に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(明日香出版社)、『面接ではウソをつけ』(星海社新書)など多数。 

http://www.tuki1.net/

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