パート・アルバイト募集のポイント
パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
先日、厚生労働省から最新の有効求人倍率が発表されました。6月の有効求人倍率は、1.10倍で19ヶ月連続の改善、22年ぶりの高水準となっています。また、パートタイマーの新規求人倍率も2.23倍となり、2013年9月に6年ぶりに2.00倍を超えてから現在まで、上昇傾向が続いています。まさに、「人が採れない」状況が深刻になってきているのです。
そのような状況を受け、今月のアイデムオリジナル調査は、「パート・アルバイトの募集」に焦点を絞ってデータをご紹介していきます。求職者の意識やこだわりなどの求職傾向を見ることで、企業が求人を出す際に、どのようなことを意識すればよいのかを考えます。
募集方法は?〜求職者に自社の求人情報を届ける〜
まず、御社ではどのような形で求人募集を行っていますか?
弊社が発行している『平成25年版パートタイマー白書』で行った企業アンケートを見ると、最も多く利用されているのは「職業安定所(ハローワーク)」で64.5%でした。続いて、「従業員等の紹介」38.3%「自社のホームページ」28.6%「求人情報誌(フリーペーパー)」25.5%となっており、「職業安定所(ハローワーク)」の利用率が突出して高いことがわかります。
図1:企業がパート・アルバイト募集の際に利用する媒体
では、その一方で、パート・アルバイトでの仕事を探している人は、求人情報をどこから得ているのでしょうか。
前述の『平成25年版パートタイマー白書』で、パート・アルバイトとして働いている人(無職でパート・アルバイトの仕事を探している方も含む)を対象に行った個人調査の結果が、下記のものです。 年代ごとに違いはありますが、企業アンケートではダントツ1位だった「職業安定所(ハローワーク)」は4位となり、「職業安定所(ハローワーク)」を利用している人の割合は4割程度となっています。
図2:求職・転職時に利用する媒体
年代別に見ると、20〜 50代では「インターネットの求人検索サイト」、60代以上では「新聞折込求人広告」の利用率が高いようです。特に20 〜 30代では「インターネットの求人検索サイト」と「求人情報誌(フリーペーパー等)」の利用率が突出しています。若い世代にとっては、この2つが主力の情報媒体のようです。また、40代以上になると、若年層よりも「新聞折込求人広告」「職業安定所(ハローワーク)」の利用率が高
くなってきます。
このように、企業が求人で利用している媒体・方法と、求職者が仕事探しで利用している媒体・方法が異なっていることで、自社の情報が求職者に届いていない可能性があります。求人を行う際には、“欲しい層”に合った媒体・方法選びが重要であることがうかがえます。
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●文/古橋孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動。「パートタイマー白書」等のアンケート調査を担当。パートタイマーを重点に置いた非正規雇用の現状や今後の課題、中小企業における雇用状況について調査を進めている。
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