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月曜の朝、「会社に行くのがイヤだなぁ」と思ったことはないだろうか。誰にでもそんなときはあるはずだ。上司がイヤだ、疲れがとれないなど、理由はさまざまだ。しかし、「一生働けない」とまで感じることはなかなかない。
もう、一生働けない
「働くことが心底イヤになりました。自分は本当にダメな人間で、生きていても何の役にも立ちません。とてもつらく、苦しいです」
彼はスーパーでアルバイトをしながら、専門学校に通ってデザイナーになろうと思っていた。しかし「アルバイトぐらいで働けない気持ちになるのだから、普通の会社が勤まるはずもないと思ってしまうんです。先生は僕が経験したようなアルバイトの現場を知らないから、苦しさは分からない」と彼は言った。
私はプロの心理コンサルタントとして、このままではいられないと思い、現場を知るためにそのスーパーで働いてみることにした。そのスーパーは辞める人が多く、常時募集している状態だった。面接に行くと運よく採用となり、精肉部門に配属された。
驚きの現場
入店当日から驚いた。初日から作業に熟練者並みのスピードを求められた。しかも、作業途中にもリーダーから「商品入荷の整理をやって」と次々に指示が飛ぶ。また、作業に時間がかかっていると「まだやっているの。早くやってよ。時給払っているんだから」と言われた。仕事で最も優先されるのはスピードだ。本来の優先順位は安全や衛生管理から始まるのではないだろうか。ところが、そのスーパーでは人手不足が慢性化しており、作業を早くこなすことが要求された。だが、入店したばかりの私は気持ちが焦るだけだった。
翌日、職場に行くとベテランのパート女性とリーダーが怒鳴り合っていた。そういえば、その日の朝、同僚から「リーダーはヒステリーだから気をつけてね。何を言われても気にしないことよ」などと耳打ちされていた。
突然、ヒステリックになるリーダー
日頃の慢性的な過労と仕事に追い立てられ、頭の中が突然パニックに陥るのだろう。リーダーは突然、ヒステリックになるのだ。恐らく軽いうつ病だ。本人はまったく気がつかないが、日頃はほとんど楽しいことがなく、アンヘドニア(本来なら喜びや満足感を感じられる行為から、快感を見いだせなくなる状態のこと)の可能性がある。また、燃え尽き状態も重なり、慢性的な過労にも気づいてなく、とても危険だ。バイクなどを運転していれば事故になる可能性が高く、仕事上の事故にもあいやすい。
しかし、普段のリーダーは普通の精神状態なので、店長は気づかなかった。一緒に働いていないと分からないのだ。そのパートの女性は、店長にリーダーのヒステリー状態を問題として報告した。筆者が勤務して2日目のことだった。
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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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