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労働ニュースに思うこと

もう時給1000円は安い時代に…令和6年度最低賃金改定の影響予測

個人の働き方や企業の人事労務、行政の労働施策など、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察、所感などをつづります。(2024年8月6日)

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 今年も地域別最低賃金に関する議論が進められています。昨年2023年は、全国加重平均額が過去最高の引き上げ43円となり、最低賃金1000円を超えた地域は8都府県となりました。昨今は物価の上昇やエネルギー価格の高騰などもあり、人々の生計費も高まりを避けられない状況です。現在までの状況を踏まえ、令和6年度地域別最低賃金の影響はどれほどなのか、またこれから先、最低賃金の影響はどんな広がりを見せていくのか、弊社アイデムの情報をもとに考察していきます。


引き上げ目安額50円、全国加重平均1,054円

 2024年7月24日、中央最低賃金審議会から、令和6年度の地域別最低賃金改定の目安について答申が取りまとめられました。

【答申のポイント】
●各都道府県の引き上げ額の目安は、いずれの都道府県も50円
●目安通りに引き上げが行われた場合、全国加重平均は1,054円
●全国加重平均が50円上昇するとしたら、目安制度が始まって以来最高額に
●引き上げ目安50円を引き上げ率に換算すると5.0%(昨年度は4.5%)

 
近年は毎年のように「過去最高の引き上げ」が続いていますが、今年度もこれまでにない引き上げとなっており、多くの企業では賃金の見直しが必要となってくるでしょう。特に、引き上げ額目安が50円はかなり大きく、もし目安通りに引き上げが行われる場合、最低賃金が1,000円以上となる地域は16に増える予想です。





最も影響が出ると予想されるのは「栃木県」56.6%

 
アイデムでは「イーアイデム」「JOBギア採促」を利用した求人広告の情報から、募集時の賃金に関する情報をまとめています。2024年1月から6月までの求人広告の中には、最低賃金の改定で最新の最低賃金を下回ってしまう場合がありますが、それがどのくらいの割合なのかを調べてみました。

●集計対象データ
地域:東日本/茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県
   西日本/滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、福岡県
期間:2024年1月〜2024年6月
雇用形態:パート・アルバイト
賃金形態:時給
勤務時間帯:働くスタイル「深夜ワーク」の設定をしているものを除く
集計対象件数:東日本585,963件、西日本278,264件

 上記の条件で絞られた求人データのうち、令和5年地域別最低賃金に50円を足した、「令和6年地域別最低賃金(仮)」を下回る求人データの割合を、改定影響率速報値として算出しました。結果は下記の表のようになりました。





 集計対象地域の中で最も影響が出ると予想されるのは「栃木県」の56.6%、次いで「神奈川県」の54.0%、「京都府」の53.5%となりました。この3府県では、半数以上の募集に影響が出るという結果となりました。

 東日本の集計対象地域では、「群馬県」を除くすべての地域で、今年度の地域別最低賃金が1,000円を超える見込みとなっています。改定影響率速報値が4割を超えた地域も多く「茨城県」や「静岡県」でも「時給1,000円で出せなくなる」影響の大きさが伺えます。一方で「群馬県」では改定影響率速報値が27.6%で、集計対象地域の中では最も影響が小さい予想となっています。目安額では1,000円を超えていないこともあり、近隣地域よりも比較的見直しが必要な求人が少ないようです。

 西日本の集計対象地域では、改定影響率速報値が4割以上の府県ばかりとなりました。目安の最低賃金が1,000円を超えていない地域もありますが、ここ何年かで急激に引き上げが行われていることもあり、今回も対応を迫られる企業が多そうです。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。東日本事業本部データリサーチチーム所属。パートタイマー募集時時給等の賃金統計や、弊社サービス会員向けの各種アンケート調査の企画・分析などを主に担当。雇用の現状や今後の課題についての調査を進める一方、Webサイトのコンテンツ・ライティング、労働市場に関する情報提供、顧客向け法律情報資料などの作成・編集業務も行っている。
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