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ココロの座標/河田俊男

第4回「2度の挫折」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 人生が自分の思いどおりになればいいが、なかなか難しい。念願の会社に入社しても、希望の部署に配属されるとは限らず、突然リストラされることもある。誰もが挫折を経験し、克服している。しかし、挫折はやはりつらいものだ。

 

 

 

大きな挫折

 

 28歳の航平は子供のころから漫画が好きで、将来は漫画家になりたいと思っていた。高校から漫画の専門学校に進み、卒業後はプロの漫画家のアシスタントになった。だが、自分の作品だけを描きたいと思って辞める。居酒屋でアルバイトをしながら漫画を描いて、プロを目指すことにした。

 

 ところが、面識のあるプロの漫画家や漫画雑誌の編集者に作品を見せても、「新鮮味がなく、今までの有名漫画家の作品に似ている。プロとして通用しない」などと言われた。自分はプロにはなれない。航平の心は折れ、生まれて初めて大きな挫折をした。そして彼は夢を捨てた。

 

 

 

新たな挑戦

 

 漫画家を諦めた航平は、新たな目標を立てた。お金を稼ぐことである。求人広告に「実力次第で高給優遇」と書かれていた建築会社に入社し、希望していた営業部に配属された。

 

 営業部はビルやマンション用地、建売住宅の土地の買い取りを専門にしていた。航平は、先輩や上司と一緒に不動産会社や地主を訪問した。しかし、配属されてから半年間、契約はとれなかった。同僚は仕事のきつさに、次々に退社していった。航平は「どんな困難があっても絶対に逃げない」と心に決めていたが、連日の残業で疲労は重なっていった。

 

 そして、航平にチャンスがめぐってきた。ワンルームマンションを買う仕事で、売主と何度も打ち合わせをし、上司と相談して買付額を決めた。ところが、ライバル会社が出現し、よりよい条件を出してきた。売主は、航平に新たな条件を出してきた。彼はその条件をクリアして、契約をつかみたかったが、上司は「君の権限の範囲で頑張ってくれ」と言い放った。航平は会社の援護を受けることができずに失敗した。

 

 それは、会社にとって利益にならない仕事だったが、航平は怒りがこみ上げた。会社が助けてくれれば成果が出たはずだった。それをチャンスに自分は羽ばたける、そう信じていた。航平は、せっかく手にしたチャンスを逃した。孤立感が彼を覆い尽くした。航平にとって2度目の大きな挫折だった。

 

 

 

副腎疲労症候群

 

 航平にとってこの挫折は、大きなストレスになった。漫画家の夢を諦めて必死に打ち込んだ仕事なのに、会社から裏切られた気持ちになった。それから、いつも以上に疲労感を感じるようになった。仕事にも集中できず、夜も眠れなくなった。

 

 自分はダメだ、何をやっても結局うまくできない人間だ、そんな否定的な考えがよぎった。そして、「お前の権限の範囲内でやれ」という上司の言葉が頭の中で繰り返された。あまりにも仕事に集中できなくなってきたので、上司から「お前最近、おかしいぞ。調子が悪かったら、精神科に行ったほうがいいぞ」と言われた。航平は精神科に行くと、「軽いうつ病ですね」と診断された。処方された薬を飲んでみると、少し調子が良くなったが、大きな改善は見られなかった。

 

 

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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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