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人材育成のツボ

お客様は神様? 理不尽なクレームから従業員の心を守る

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2025年3月13日)

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 近年、カスタマーハラスメント(カスハラ)は、組織における深刻な問題となっています。顧客からの過剰な要求や不当な言動、暴力的な態度が従業員に精神的・身体的な負担を与え、職場環境の悪化を招いています。「顧客第一主義」の考え方や「おもてなし文化」といった価値観が、この問題を深刻にしている一因といえます。顧客との関係は相互の尊重に基づくものであり、行き過ぎたハラスメントは決して許容されるべきではありません。今回は、カスハラの実態とその影響、そして企業が取るべき対策について考えていきます。


カスタマーハラスメントとは?

 カスタマーハラスメントとは、顧客が企業や店舗の従業員に対して行う不当な要求や威圧的な言動、さらには暴力的な行為を指します。特にサービス業や小売業ではこの問題が深刻化しており、従業員の心理的・身体的な健康に大きな影響を及ぼしています。
 クレームとカスハラは異なるものです。クレームは商品やサービスに対する正当な指摘や要望であり、サービスや品質向上の役に立ちます。一方で、カスハラはその範囲を超え、相手を攻撃したり、過剰なサービスを要求する行為です。具体的なカスハラの例としては、以下のような行為が挙げられます。

・店舗や企業のルールを無視し、過剰なサービスを要求する
・大声で怒鳴ったり、威圧的な態度を取る
・従業員を個人的に攻撃する発言をする
・無理な謝罪や土下座を要求する
・執拗に電話やメールを送り、企業活動を妨害する





カスタマーハラスメントの実態と影響

 東京商工リサーチが2024年8月に実施した企業向けアンケートでは、直近1年間でカスハラを受けた企業は約19.1%でした。特に「宿泊業」「飲食業」「道路旅客運送業」など、個人客と接する機会が多い業種で被害が多いことが明らかになっています。カスハラが従業員に与える影響も深刻です。調査によると、カスハラの影響で「休業や退職の発生」に追い込まれた企業は13.5%に上り、従業員の心身の健康を害するケースが増えています。


研修の効果と実施例

 カスハラ被害の増加を示すデータがある中、弊社への研修実施のご依頼も増えております。先日、医療関係のお客様から「クレームとカスハラの見極めが難しい」とのご相談を受け、カスハラ研修を実施しました。例えば、採血後の痺れなど、医療従事者にとっては避けられない合併症だと理解していても、患者様にとってはなかなか理解されず、クレームがエスカレートしてしまうことがあり、最初は正当なクレームであっても、話し合いの中で要求がエスカレートし、収拾がつかなくなるケースがあるそうです。

 また、お客様から「どこまでが正当なクレームで、どこからが毅然と対応すべきカスハラなのか、その境界を知りたい」というご要望がありました。実施したカスハラ応対研修では以下のポイントに気を付けて研修を進めました。

・クレームとカスハラの見極め(クレームとカスハラの違いを理解する)
クレームとカスハラ違いを明確にしていただきました。今までクレームとカスハラの違いがよくわかっていなかった方には、対応方法に違いがあることをご理解いただいたと思います。ただ、なんでも最初から「カスハラ」だと身構えるのではなく、まずは相手に寄り添った対応を取ることが必要であることをお伝えしました。

・カスハラに発展させないための初期対応法
カスハラに発展させないための初期対応法を学んでいただきました。カスハラ行為のよくある例を用いて、体験や共感をディスカッションしていただきました。今まで「ハードなクレームだった」という認識だったものが「あれはカスハラだったのか」という気づきを得ていただけたと思います。これから同じような場面に遭遇した時は、頭の片隅に入れて対応することができるようになるのではないでしょうか。
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●文/林原菜美(はやしはら なみ)
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部キャリア開発支援チーム 人材育成・研修プランナー
大学卒業後、航空会社にて地上係員として航空保安・お客様対応に従事し、社内教育・指導を務める。その後株式会社アイデムに入社。西日本事業本部にて、企業・商業施設の研修企画を行い、お客様が抱える課題に向き合っている。
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