4ステップで考える新卒採用活動〜企業事例に学ぶ〜【後編】
前回に引き続き、新卒採用活動を取り上げます。実際に取材した企業事例などから、採用活動を成功させるポイントについて考えていきたいと思います。後編は、内定と入社についてです。
●ステップ3/内定
新卒者の離職率は「七五三」と言われています。入社3年以内に離職する割合が、中卒者7割、高卒者5割、大卒者3割になるという意味です。
厚生労働省は、新規学卒就職者の離職状況を調査しています。2011年3月に卒業した新規学卒就職者の入社3年以内の離職率は、中卒者64.8%、高卒者39.6%、大卒者32.4%でした。離職理由はさまざまですが、代表的なものは「期待と現実のギャップ」です。入社前に聞いていた仕事内容や会社の雰囲気が、実際とは違っていたということです。
こうした事態を避けるため、企業はギャップを埋める取り組みを行っています。ギャップを解消し、自社への理解を深めてもらうことは入社動機の醸成にもつながります。以下、内定辞退を防ぐ取り組みについての事例をご紹介します。
�ー勸�との座談会
J社は選考段階から学生とのコミュニケーションを大切にしています。選考以外にも相互理解を深めるための試みを積極的に行っています。例えば、1次選考を通った学生を対象に実施している社員との座談会は、会社の実情を感じることができて好評だと担当者は言います。
「軽食をとりながら、社員と触れ合っていただくことで、面接などでは分からない会社の雰囲気を知っていただければと思っています。その際、人事部の社員は同席しません。座談会に出る社員には、仕事を通じてのやりがいといったよい面だけではなく、今後解決していくべき課題などについても伝えてほしいと言っています」
座談会は社内の調整が必要であり、社員の協力を得なければなりません。負担にはなりますが、それに見合っただけの成果が得られるといいます。
「学生としっかりコミュニケーションをとることで信頼関係が増し、結果的に内定辞退が減ります。そう考えると、社員の参加も無駄なコストにはならず、採用コストの削減にもつながると思います」
��活動状況をヒアリング
従業員40人のK社の担当者は、「当社は少数採用なので、辞退されたときのインパクトは大きいです」と言います。そのため、同社は内定を出したい学生には就職活動の状況を聞いているそうです。
「学生に内定を出したいことを伝えて、ほかに選考が進んでいる企業があるかどうかを聞きます。第一志望の企業がうちではない場合、第一志望の採否が分かってから内定を出すなど、その学生に合わせて対応しています」
�F眥蠎圓�会社説明会を運営
L社では内定者を集め、課題に取り組んでもらっています。課題は次年度の新卒者向けの会社説明会の企画で、内容や集客方法などを考えてもらうそうです。目的は内定者同士の交流促進と、入社までの意識を高めてもらうことにあります。C社の担当者はこう言います。
「運営も、学生たちに手伝ってもらいます。内定者たちに会社説明会に関わってもらうことは、さまざまな効果があります。会社への帰属意識の醸成や内定者同士の交流促進のほか、本人の成長にもつながると思います」
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●文/三宅航太(みやけ こおた)
株式会社アイデム人と仕事研究所研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWEBで発信するマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。
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