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労働ニュースに思うこと

業績向上につながる正社員登用とは?

日々流れてくる労働関連の多彩なニュース。本コーナーは、アイデム人と仕事研究所の所員が、そうしたニュースに触れて「思うこと」を持ち回りで執筆します。

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 非正規雇用の増加が止まりません。正規雇用も増加しているとはいえ、未だ4割近くが非正規雇用です(2016年8月9日公表 総務省統計局労働力調査)。とはいえ一方で、非正規雇用労働者の待遇改善を目指した動きも目立ってきています。

 

 例えば、東京都は、平成27年度から平成29年度までの3年間で1万5千人の正社員化を目標に掲げ、総合的な非正規雇用対策を展開しています。また、非正規雇用の2018年に発動される労働契約法18条の「5年ルール」を見据えて、早期にパートや契約社員など「有期契約」で働く人を「無期契約」に変える企業も出てきています。

 

 

 企業側も採用難が続いているため、非正規雇用で働く方を自社の正社員として積極的に受け入れる姿勢が徐々に増してきているようです。弊社の調査、2014年パートタイマー白書では、正社員登用をしている企業の9割が、能力、仕事に対する姿勢、意欲は「既存の正社員と同等以上」と高く評価しています。さらに、非正規雇用で働いている方の6割が「将来的に正規雇用で働きたい」という意向を示しています。

 

 このように、正社員登用の可能性は拡大傾向にあります。ただ少し気になるデータもあります。それは、正社員登用した多くの企業で「正社員登用したことで本人のモチベーションが上がったこと」とありました。もちろん、成果の一つです。でも本当にそれで満足してよいのでしょうか。やはり企業としては、利益を最大化するように行動していかなければならず、モチベーションが上がっても、利益につながらなければ、企業は人的コスト増になり負担感も増すばかりです。

 

 申し上げるまでもありませんが、理想は、正社員登用で、組織全体の戦力向上、ひいては業績向上につながることが望ましいです。

 

 

 

一つ上の視点で考え、今の立場で行動できるか?

 

 では、業績向上につながる正社員登用はどのように進めれば良いのでしょうか。ポイントは3つです。

 

(1)非正社員も業務、経験に応じて選抜(自薦、他薦)して、正社員と同等の教育訓練の機会を設けること。

 

(2)1の後、非正社員は、いまの立場で正社員と同等の業務を一部担当すること。

 

(3)2の過程で「プロセスの構築とカイゼン」、「一定の成果の作り込み」ができること。

 

 正規と非正規の能力階差の要因の一つとして、「教育訓練」の機会にあります。正社員以外に教育訓練を実施している企業は、計画的なOJT、OFF-JTのいずれも、正社員の約半数になっています(厚生労働省/平成27年度能力開発基本調査)。まずは、非正社員の中で正社員を目指したい方を選抜し「教育訓練」の機会を設け、業務に必要なスキルを習得していただく。

 

 その後、習得したスキルを現在の立場(非正社員)で、正社員の業務の一部を実行していただく。実行しながら、「プロセスの構築とカイゼン」と「一定の成果の作り込み」が出来るのであれば、正社員登用候補として検討する。実はこの方法、私が担当しているお客様が実践している方法です。そのお客様は、新卒採用については、採用計画人数まで毎年到達しません。

 

 そこで、約2年前からアルバイトを正社員登用することに取り組んでいます。その結果、アルバイトから抜擢して、営業MVPになった社員、新規事業のリーダーを任せている社員等々、活躍されている方がいらっしゃいます。抜擢人事は常に意識して行い、非正社員にチャンスを設けることで、既存の正社員にも良い刺激となり売上向上に反映されています。

 

 

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●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画/営業担当
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて、経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、アイデム人と仕事研究所にて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

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