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ココロの座標/河田俊男

第8回「異文化ストレスの連鎖」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 ビジネスマンにとって、海外赴任は当たり前になってきている。赴任先の国になじめるかどうかは、大きな問題だ。もし、その国の文化や慣行になじめなかったら、どうなるのだろうか?

 

 

 

突然のジレンマ

 

 商社勤務の照夫に、東南アジア支店への異動辞令が出た。期間は約3年間で自分は赴任するつもりでいたが、家族の反対があれば辞退しようと考えていた。妻の弘美に相談すると、顔を曇らせた。来春から小学校に上がる長男と、生後6カ月の次男を連れて、慣れない海外生活ができるかどうか不安だったからだ。しかし、まだ子供が小さいこともあり、単身赴任は考えられなかった。

 

 照夫は「断ってもいい」と思っていたが、会社に対して心証を悪くしたくない気持ちもあった。話し合いの末、家族一緒に行くことになった。

 

 

 

 

マラリアの恐怖

 

 照夫が先に向かい、3カ月遅れて家族が合流した。弘美は、しばらくは南国特有の気候や風景、豊かな食材に魅了されたが、子供の学校の問題などで不安になっていった。

 

 日本語学校はあるが、住まいからは遠いので地元の学校に入れなくてはならない。だが、子供は「絶対に行きたくない! もうお家に帰りたい」と泣くばかりだ。また、隣村の幼児がマラリアに感染したらしいという噂が広まった。それから、マラリアに怯える日々が始まった。

 

 弘美はもともと潔癖症なところがあり、地元の人々の衛生感覚についていけず、食事も口に合わなかった。「日本に帰るしかないわ」が彼女の口癖になっていた。

 やがて、弘美はマラリア感染の恐怖が強くなり、窓も開けられず、家からも出られなくなった。照夫に「もし、この子たちが蚊に刺されて死んだらどうするのよ!」などと怒鳴るようになった。弘美は、子供の感染恐怖からうつ病になった。

 

 

 

現地の女性と恋仲に

 

 また、弘美は言葉の通じない現地の人たちの親切にも、どう対応すればいいのか分からず、ストレスになっていた。彼女にとっては、現地の行事やお祭りもまったく楽しめるものではなかった。弘美は照夫に「もう限界です」と言い、帰国することにした。
 妻と子供が日本に帰ると、照夫は一気に寂しくなった。しばらくは、同僚が毎日のように彼の自宅を訪れて、一緒に酒を飲んでくれた。やがて、支店に勤務する現地の女性が家で料理を作ってくれるようになり、寂しさも薄れていった。

 

 そして彼はその女性と恋に落ちてしまった。一緒に暮らすようになり、子供もできた。新しい家族ができ、照夫は罪の意識を抱えながらも、幸せの絶頂になった。

 

 

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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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