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商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。
ハロー効果とは?
人や事物のある1つの特徴について良い印象を受けると、他のすべての特徴も実際以上に高く評価する現象のことをいいます。これをポジティブハロー効果といいます。ただし、ハロー効果は逆の効果をもたらすこともあります。悪い印象を受けるとそれに関わるすべてに対して、実際以上に低く評価してしまうのです。このことをネガティブハロー効果といいます。
解説
ポジティブハロー効果の例で言えば、名の通った大学を卒業したというだけで高く評価されることです。ですが本来、有名大学を卒業しているということと、会社員として優れているかどうかは関係のないことです。
これは大学だけではありません。会社の役職もそうです。名刺交換をしたときに「常務取締役」や「統括本部長」という肩書を見た途端にこう思います。
《この人はよっぽどすごい人なんだろうな》と思い込んだりします。
こういった思い込みをハロー効果といいます。また自分ができないことができる人はすごい人だと思ってしまう傾向があります。英語ができない人にとっては「日常会話程度の英語でしたら話せます」と聞いただけですごい人と判断したりします。英語ができることと、仕事ができることは関係のないことです。しかし、その印象だけで他のことは確認などをせずに、その人を優れていると評価してしまうものなのです。
私自身も経験したことがありますが、「多くの本を出している」「大学で講師をしている」と言っただけで他の部分も優秀だと過大評価されることもあります。こうしたことがまさにハロー効果なのです。
ハロー効果をビジネスに応用してみましょう。もしあなたが何か資格を持っているならそれを最大利用してください。社労士、行政書士、宅建、介護士、英検○級、コーディネーター、FP…。どんな資格も持っていない人からすればすごく感じるのです。公的な資格ではなく、マニアックな資格でも同じです。《こんな資格、誰も知らないだろうな》と思っていても相手はすごいと思うものです。資格を取っていなくても構いません。
「ちょっと税金について勉強していましてね」というだけで、税金を全く知らない人からすれば頼りになるものです。
何か持っている資格がある人はさっそく活用して下さい。「○○営業所の菊原智明」より「資金計画の資格FPを持っている菊原智明」の方がお客さまは頼りにします。名刺やトークに一言入れるだけであなたの評価がグッと上がることもあります。
菊原智明●営業コンサルタント。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。「口ベタ」「あがり症」に悩み、7年間、苦しい営業マン時代を過ごす。その後、それまでの営業活動の間違いに気づいてやり方を大きく変えたところ、成績がみるみる上がり4年連続トップ営業マンに。自分と同じように営業に悩んでいる人たちをサポートしたいとの思いから、2006年に独立。著者に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(明日香出版社)、『面接ではウソをつけ』(星海社新書)など多数。
http://www.tuki1.net/
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