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アイデム人と仕事研究所の研修部門の所員が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2019年4月11日)
仕事や日常生活で、私たちにとって欠かせないコミュニケーション。簡単なようで、難しく感じられることはありませんか? ビジネスのシーンではもちろん、プライベートでも、自分本位のコミュニケーションでは良い関係は築けません。特に自分と異なる考え方、価値観を持つ人と接するときには、より相手に興味を持ち、歩み寄ることが大切です。
以前、とある商業施設で、自身のタイプ(強み、弱み、考え方の傾向)を知り、相手とのコミュニケーションに活かす、という研修を実施しました。カードを使用し、ゲーム感覚で行います。とても盛り上がり、ワークを通じて自身の意外な点に気づいたり、苦手なタイプへの対応を学んだり、とすぐにでも活用できる内容でした。簡単に言うと、タイプは次の4つに分けられます。
1:感覚思考(能動的)
2:感覚思考(受動的)
3:論理思考(能動的)
4:論理思考(受動的)
それを更に大分類すると、1・2は感情や感覚を重視する価値観、3・4は事実、明確な情報を欲する価値観をお持ちのタイプです。さて、今回は販売の現場をイメージしながら、皆さまにも考えていただければと思います。
同じ言葉でも受け取る人によって反応が違うのはなぜ?
まず、想像してみてください。ここに買い物に来た二人の女性がいます。二人とも、手持ちはあるものの、スプリングコートを新調しようと考え、服屋さんに立ち寄りました。
【Aさんの場合】
Aさんは、トレンド大好き!着回しももちろん重要ですが、新しいものを購入する事で気分も上げたいと思っています。また、着ていくシチュエーションを思い浮かべながら、この春のスタイリングを楽しみたいと考えています。そこで接客についたのは、販売員Cさん(以下、販)です。Aさんがコートをお探しと知り、このように声を掛けました。
販「こちらのコートはいかがですか?かわいいですよね。今年の新型で1番売れています」
A「そうなんですね!コートは持っているけど新鮮味がないし、もっと今年らしいのが欲しくて」
販「でしたら尚更オススメですよ。コートにプラスしてこのようにスタイリングすると、この春らしくて素敵です」
A「素敵ですね〜お姉さんの今日の服装も好みです」
販「ありがとうございます!実は先ほどのコート、私も持ってるんですよ〜!」
A「そうなんですね!一度はおってみてもいいですか?」
Aさんは販売員Cさんと話が盛り上がり、楽しく買い物を続けました。
【Bさんの場合】
一方、Bさんは流行にも関心はありますが、実用性を重視し、いいものを長く大事に着たい主義です。そのため、生地・着心地・手入れ方法などを知って購入したいと考えています。同じく販売員Cさんが接客しました。Cさんはさっそく人気のコートを薦めます。
販「コートをお探しなのですね。こちらはいかがでしょうか。今年の新型で1番売れています。私も持っているんですよ」
B「そうなのですね…(長く使いたいし、人気のものが欲しいわけじゃないのになぁ) 他のものも見せてもらえますか?」
販「こちらも人気ですよ!かわいいですよね。しかも昨日まで完売していたんです!」
B「もっと定番のものが欲しいのですが…できればシワになりにくい生地が良いなと」
販「定番ですと、こちらがおすすめです。シワはつきやすいですが…この素材だと…どうしてもしょうがないですよね〜」
B「……」
Bさんは結局「少し、考えます」と言ってお店を出てしまいました。Aさんとは盛り上がったにも関わらず、Bさんには鏡で合わせてすらもらえませんでした。2人ともコートを探しており、条件は同じ。なぜうまくいかなかったのでしょうか。
>>>次ページに続く
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●文/横越有紀子(よこごし ゆきこ)
アイデム人と仕事研究所 人材育成・研修プランナー/育休後アドバイザー
大学卒業後、アパレル会社に入社、6年半勤務。上司からの教え、後輩指導を通じ、「真剣に仕事に向き合う人のお手伝いがしたい」と考え、株式会社アイデムに入社。その後、結婚、出産、育児休業を取得後、時短正社員として復職。現在、アイデム人と仕事研究所で、企業様向けビジネスセミナーの企画・運営・事務局に従事している。
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