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働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探ります。(2019年10月10日)
フリーランスのデザイナーとして、広告や書籍などの制作を請け負っている山田葉子さん(仮名・39歳)は、以前勤務していた制作会社で先輩ディレクターAからのパワハラに悩んでいた。
「Aさんは強面でもなく、どちらかといえば中性的な雰囲気で、カワイイものに興味があるようなタイプでした。ぱっと見は人当たりも良く、クライアントからも高い評価を受けており、私も最初はいい上司に恵まれたと思ってしまいました。でも、ふたを開けてみればひどいものでした」
「外面似菩薩内心如夜叉(げめんじぼさつないしんにょやしゃ)」ということわざがある。対外的には菩薩のように人徳があるように見えても、心根は夜叉のように邪悪であるという意味だ。Aはまさにこれを地で行っていた。クライアントに対しては笑顔で、常に相手を立てて接していた。おかげで信頼を得てはいたものの、部下には平気で無理難題を押し付けてきた。
「何でも引き受けてしまうので、前日の夜7時に依頼を受け、翌朝一番に仕上げるといった無茶な案件も少なくありませんでした。そのしわ寄せは部下に押し付け、私も泣きそうな思いで必死に徹夜作業をしていました」
たちが悪いのは、A本人も「帰らない」ということ。徹夜作業でも山田さんの後ろからパソコンのモニターをのぞき込み、延々と指示を送ってくる。本人は「俺も徹夜して頑張っていたんだから、山田もできる」と熱血指導しているつもりだったようだが、論拠のないダメ出しを繰り返し、自分の感性を押し付けてくるだけ。そのせいで何度もやり直しをさせられる無駄な時間を過ごした。
「クライアントに『できないことはできない』と伝え、締め切りを調整すればいいだけの話に思えました。実際、最終的な納期を見れば、必ずしも翌朝に上げる必要もないのが分かります。Aさんはクライアントの便利屋や小間使いのように使われているだけで、ご機嫌取りのためのパフォーマンスが“徹夜作業”だったというわけです」
もう限界だと思ったエピソードがある。座りっぱなしの仕事だけに山田さんは椎間板ヘルニアを患ってしまったのだが、ある日、腰がどうしても痛くて病院に行くために早退しようとした。その日は悪いことにAがクライアントの言い分をそのまま受けた案件が厳しいスケジュールで進んでいたという。
「Aさんからは『忙しいのになんで帰るんだ!』と強く言われました。さすがにもっと上の上司が間に入って説得してくれましたが、帰宅しようと挨拶をすると目も合わせようともしません。あのときはさすがにキツかったですね」
その後、山田さんは退職し、結婚・出産を経て2人の子供に恵まれる。下の子供が小学校に入るまでは育児に専念し、約6年ぶりにフリーのデザイナーとして復帰。まだお子さんの手もかかるだけに、意識しているのは「なんでもできます!」と安売りしないことだという。
「依頼を受けた後、最初に仕事ができる時間や条件、納期などをしっかり話し合うように心がけています。この数年、社会的にブラックな働き方が問題視されていることもあり、無理なスケジュールで働かなくても大丈夫な時代になっていますので、調整がしやすくなったと感じています」
>>>次ページに続く
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