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【企業に聞く】人が活きる組織

株式会社小池農園こめハウス/管理農業で人手不足を補う 都市近郊農家の挑戦

やる気を引き出す仕組みや教育制度などの人事施策、働きやすい職場環境の実現など、人に関する企業事例を紹介します。(2019年12月19日)

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ホームページ/ http://www.kobe-mai.com/

 

 少子高齢化は、農業分野にも大きな影響を与えている。農業就業者は高齢化が進み、2018年の全国平均年齢は66.8歳。兵庫県は最新の2015年調査で68.9歳となっている。
 株式会社小池農園こめハウスは、兵庫県神戸市近郊で米作りから販売までを手掛けている。代表取締役社長の小池潤さんは42歳。農家の後継者として自社だけでなく、日本の農業の将来を見据えて活動している。米作りに関わるさまざまな課題と取り組みについて、話を聞いた。

 

 

―主な事業内容を教えてください。

 

 小池農園こめハウスは、名前が示すように稲作が中心ですが、野菜も生産しています。当社の農地は40ヘクタール、甲子園球場約10個分の広さがあります。そのうち15ヘクタールが田んぼで、農薬・科学肥料を極力減らして育てたブランド米「神戸米」を、大豆と小麦と飼料作物をそれぞれ7ヘクタール、蕎麦を1ヘクタール、生産しています。「神戸米」の95%以上を直接販売しています。

 

 残りの農地ではキャベツを2ヘクタールとほうれん草0.3ヘクタールを栽培しています。稲作は、田植えと稲刈りという作業のピークが年2回あるので、野菜を生産することで年間の労働力を平均化する効果もあります。

 

 

―農業に携わる人の育成にも取り組んでいらっしゃいますね。

 

 一番新しい社員は、この秋に入社した女性です。社会人になってから農業に関心を持ち、退職して兵庫楽農生活センターの就農コースで学んだ後、当社に入りました。センターは就農を目指す人を対象とした、総合的な農業技術の研修を受けられる兵庫県の機関です。就農コースは将来、本格的に農業経営をやってみたい人を対象とし、作物栽培に必要な知識や技術を1年間学びます。

 

 当社では、まずは、農業が自分に向いているか試したい人、その後、農業を一生の仕事として捉えている人を採用しています。勤務しながらノウハウを吸収してもらい、ゆくゆくは独立して日本の農業を守り、盛り上げる存在になってほしい。独立後の支援も考えています。

 

 

 

代表取締役社長の小池潤さん。会社は神戸市のベッドタウン西区にある

 

 

―起業後のサポートまで視野にあるのですね。

 

 米作りには、多額の設備投資が必要です。野菜より米作りのほうが高額でトラクター、耕運機、コンバイン、乾燥機、籾摺り機などを用意しなければならず、資金は1,500万円ほど必要です。一部はリースですが、ほとんどが買取のため、農家は借金をすることになります。また、担保がなければ借入さえも難しい現実があります。

 

 後継者のいない高齢の方は、減価償却期間と自分の年齢を考えると「購入は無理」と判断する人も多く、当社への田植えや稲刈りの作業委託が年々増えています。現在、100ヘクタール分の田植えや稲刈り作業を受託しています。

 

 

>>>次ページに続く
・高齢化による後継者不足は大きな問題になっています
・合理的な仕組みとはどんなものでしょうか?
・いつから農業を仕事にされてきたのですか?
・今後のビジョンを聞かせてください
・一般の方の農業体験を多く実施されているそうですね

 

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