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実務で役立つ労働法/田代英治

第35回 届出契機が同じ労働・社会保険の受付窓口の統一化

労働関連法で実務に直結した部分をクローズアップし、分かりにくい点や対応策などを解説します。(2020年2月6日)

 本年1月1日より届出契機が同じ労働保険・社会保険の手続きについて、受付窓口がワンストップ化されました。労働保険等の適用事務に係る事業主の事務負担の軽減、及び利便性の向上のためです。併せて、より簡素に手続きが行えるよう届出様式も統一されました。

 

 

<改正背景とアウトライン>
 「規制改革実施計画」(2017年6月閣議決定)において、2019年度までを取組期間として、政府全体で行政手続きコスト(行政手続きに要する事業者の作業時間)を20%削減することとされていました。これを踏まえ、厚生労働省では以下の事項を柱とする「行政手続コスト」削減基本計画を進めています。

 

 

 

 

<「行政手続コスト」削減の基本計画>
届出様式の統一化:厚生年金保険、健康保険、労働保険及び雇用保険の各手続きにおいて届出契機が同じ4種の手続きについて統一化した届出様式を新たに設ける。

 

ワンストップ受付窓口の設置:統一様式については、受付窓口も統一化し、年金事務所、労働基準監督署及びハローワークにおいてそれぞれ一括して受け付ける。

 

 

<改正内容>
 具体的に窓口や様式が統一される届書は、次の4種の手続きです。

 

(1)労働保険徴収法上の「労働保険関係成立届」及び「概算保険料申告書」、雇用保険法上の「適用事業所設置届」、健康保険法及び厚生年金保険法上の「新規適用届」

 

(2)雇用保険法上の「適用事業所全喪届」と健康保険法及び厚生年金保険法上の「適用事業所廃止届」

 

(3)雇用保険法上の「資格取得届」と健康保険法及び厚生年金保険法上の「資格取得届」

 

(4)雇用保険法上の「資格喪失届」と健康保険法及び厚生年金保険法上の「資格喪失届」

 

 

 これらの手続きは、届出契機がそれぞれ同一であることから、統一様式による届書を年金事務所、労働基準監督署及びハローワークいずれの窓口を経由しても届出できるものとされました。なお、「労働保険関係成立届」は一元適用事業に限り、有期事業、二元適用事業や労働保険事務組合に委託されている事業などは除外されます。また、健康保険に関しては、全国健康保険協会が管掌する健康保険にかかる届書に限られる点に留意してください。

 

 


 

 

●文/田代英治(たしろ えいじ)
社会保険労務士。株式会社田代コンサルティング代表取締役。神戸大学経営学部卒。企業の人事制度の構築や運用、人材教育などに取り組む。著書に「人事部ガイド」(労働開発研究会)、専門誌への寄稿など執筆実績多数。
http://tashiro-sr.com/

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