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人材育成のツボ

コロナショック! 新入社員のフォロー体制が定着、成長のカギ

アイデムの人材育成・研修部門の担当者が、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなどをつづります。(2020年4月9日)

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 新型コロナウイルスの感染拡大によって、新入社員研修の見直しを迫られ、急遽、予定を変更された企業も多いのではないでしょうか。四月は新入社員にとって、社会人としてスタートを切る大切な時期です。従来は、入社後に、集合型の新入社員研修を実施して、「社会人としての心構え」「ビジネスマナー」「仕事の進め方」等を学び、できるだけ不安を軽減して、職場に入っていくのが一般的でした。

 

 本年の新入社員研修(導入時)については、集団感染を防ぐために、概ね四つのケースに分かれたかと思います。一つ目は、健康・安全対策を万全に整えて集合研修を実施したケース。二つ目は、WEB会議形式、録画再生方式のオンラインで実施したケース。三つ目は、実施日程を延期したケース。そして、四つ目は、中止したケースです。

 

 会社の方針、規模、諸設備等によって、対応は変わってくるかと思いますが、いずれにしても、これまで以上に、新入社員のフォロー体制は整えるべきでしょう。ただでさえ、社会人なりたてで不安を抱えているところに、この新型コロナウイルスの影響で全く先が読めずに不安が倍増されているはずです。

 

 

 

 

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 そもそも、なぜ新入社員研修は行われるのでしょうか。それは、新入社員の不安を少しでも解消し、会社の一員として、職場の上司、先輩に受け入れられ、気持ちよく仕事をスタートできる状態にするためです。学校組織の学生活動と経営組織の社会人活動に求められる姿勢や考え方が大きく異なるため、学生本人も会社側も不安を抱えています。その不安を解消するために、導入時にしっかりとした研修を実施するのは双方にとって大きな意義があります。

 

 また、日本の学校教育は、欧米とは異なり、大抵、職業教育を行わない普通教育で、新入社員は職業人としては「未熟練者」です。その「未熟練者」に対して、自社に合った人材を会社の中で、段階を追って、手作りしていくことは、組織開発としても欠かすことができません。新入社員も仕事に必要なスキルを学び、職場に入れるのですからす双方にとってメリットがあります。

 

 さて、あくまでも新型コロナウイルスが収束していることが大前提ですが、その重要な新入社員研修(導入時)を四月に実施できなかったとしても問題ありません。数か月後に実施しても充分に効果を上げることができるからです。A社の事例として、東日本大震災の時に、四月に実施できず、六月に実施したところ、実際に仕事を経験した後に研修を実施した為、前年度よりも、当事者意識、課題感が増し、受講者、関係者の満足度も上がりました。それ以降、A社の新入社員研修(導入時)は6月に実施しています。

 

 次に方法です。オンライン、オフライン、また、オンラインとオフラインを組み合わせて実施する方法もあると思いますが、新入社員研修(導入時)については、やはりオフラインの集合型研修をお薦めしたいと思います。それは、やはり、その集合形式の“場”でしか体験できないことが多いからです。その“場”だかこそ、学ぶ意欲、学ぶ姿勢、学び後の気づきが深いからです。人は、物事を五感(視覚、聴覚。触覚、味覚、嗅覚)で受け止め、自分なりに解釈しているはずです。オンラインでは、その五感の内の視覚、聴覚の2つでしか受け止めることができないため、物足りなさを感じるはずです。

 

 

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●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
株式会社アイデム 東日本事業本部 キャリア開発支援チーム/教育・研修企画担当/キャリアコンサルタント(国家資格)
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、キャリア開発支援チームにて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

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